安全と注意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:38 UTC 版)
純粋な炭素は人体に及ぼす毒性が非常に低く、グラファイトや木炭は安全に摂取することもできる。ただし不溶性で化学反応も起こしにくく、消化液の酸にも変化しない。そのため、一度組織内に入り込んだ炭素は長く残留する傾向にある。カーボンブラックはこの性質から入墨に使われた初期の素材のひとつと想像され、その一例にアイスマンの入墨は生前そして死後5200年間消えずに残っていた。しかし石炭粉やスス、カーボンブラック類を肺へ大量に吸入することは危険であり、肺組織への刺激から炭田労働者に肺鬱血病から塵肺を引き起こすこともある。同様に、研磨工程で生じるダイヤモンド粉を吸入または摂取してしまうことも危険である。ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる微細炭素粒子も、肺に蓄積し悪影響を与える可能性がある。また、眼に入ると粘膜を刺激するため、取り扱いの際には保護メガネ着用が望まれる。 このような低毒性は地球生物のほとんどに当てはまるが若干の例外もあり、たとえばショウジョウバエには炭素の微細粒子は致命的な毒性を発揮する。
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