宇宙の暗雲 (The Cosmic Cloud)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 21:29 UTC 版)
「太陽強奪」の記事における「宇宙の暗雲 (The Cosmic Cloud)」の解説
初出は「ウィアード・テイルズ」誌 1930年11月号 銀河系の中央に横たわり、直径数十億マイルもの広さをもつ暗黒星雲がある。この中では光の振動が全くなく、完全な暗黒であった。数年前に、デネブ人科学者と助手たちの乗った宇宙船が、探検のために突入したが帰ってこなかった。最近、この暗黒星雲の周辺で、立て続けに宇宙船の消失事件が発生していた。はじめは、数百隻の船が強力な力に引かれて、この中に引きずりこまれた。星間パトロールの巡視船20隻あまりが現場に急行したが、遭難船の姿はなく、信号もとだえて手掛かりは全く残っていなかった。次には、1000隻もの宇宙船が同じように星雲に呑み込まれた。再び星間パトロールの一個中隊が現場を捜索したが、今度も手掛かりはなかった。2日間の捜索でも変わったことがなかったので、付近の通行止めを解除した。すると三度目の事件がおこり、また1000隻もの宇宙船が失われた。事件の原因を究明して、通行止めを解除しなければ、星間貿易は半身不随になってしまう。優秀な3人のパトロール隊員が選ばれ、乗組員とともに暗黒星雲を調査することになった。彼らの船は星雲の周囲を探査したが、何も異常はなかった。すると突然の衝撃があり、船は星雲に引きずりこまれた。エンジンを全開にしても抗することができず、船はだんだんと落ちていく。やがて船内のすべての明かりが消えた。そして、船外からは空気中を飛ぶときのような音が聞こえてくる。引っ張る力が止まると同時に、他の宇宙船が接舷するような音が聞こえてきた。エアロックから侵入した何者かは、笛のような声を発して暗闇のなかでも行動できるようだった。パトロールの一行は捕らえられ、船はどこかに着陸した。そこは惑星だった。連行される一行の1人が逃げ出した。暗闇の中を手探りで進み、暗黒生物とぶつかっては格闘しながら、彼は広くて静かな場所にでた。そこにあったものは、手で触れてもわかる銀河系の宇宙船の群れだった。そのあとで彼は、何者かとぶつかったが、それは銀河系言語で話すではないか。それは数年前に行方不明となっていたデネブ人科学者だった。彼も暗黒生物に捕らえられ、情報を提供させられたという。
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