奈良電灯の開業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 17:48 UTC 版)
関西水力電気の前身奈良電灯(奈良電燈)は、1893年(明治26年)6月19日に設立され、翌1894年(明治27年)5月22日付で奈良県から営業許可を得たのち同年10月1日に開業した。会社所在地は奈良県添上郡奈良町(1898年市制施行で奈良市)大字高天12番屋敷。供給区域は奈良県のうち奈良町と添上郡佐保村(現・奈良市)で、奈良県下で最初の電気事業者であるとともに日露戦争前の時期に開業した唯一の事業者である。電源として1500灯用の40キロワット発電機を備える火力発電所(奈良町火力発電所)を設け、開業時は170戸の需要家に電灯300灯を取り付けた。 先行する関西の大阪電灯・京都電灯・神戸電灯といった電灯会社とは異なり、奈良電灯の場合は電灯需要が伸び悩み、日清戦争後の燃料石炭価格高騰も手伝って業績は低迷した。業績低迷を反映して資本金は設立時の5万円のまま増加しなかった。 開業翌年にあたる1895年時点での代表者は専務取締役の梅田春保で、この段階では取締役・監査役計5人のうち4名が奈良町内の人物である(残り1名は郡山在住)。一方、関西水力電気への譲渡直前にあたる1905年(明治38年)の段階では、社長の佐野正道以下取締役・監査役全員が大阪府の人物であった。
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