大規模な深発地震での例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 13:58 UTC 版)
震源が深い地震を深発地震と呼ぶ。深発地震は、海洋プレートがマントル内に沈んだスラブ(英:Slab)が、深さ数百km付近まで沈んだところで周囲の熱や圧力により構造などが変化し、このとき発生するものと一般には考えられている。 震源の直上にはプレート境界面と柔らかい上部マントルがあり地震波は着達までに減衰してしまう。一方、同じプレートでは上記のプレート構造での地震動のように比較的減衰しにくい地震波が遠くまで伝搬し、地盤の弱い土地で強震度が現れる。さらに、断層破壊を伴うような大きな地震で現れる低周波地震動は、このような地震波は高周波に比べて減衰しにくい。大きな深発地震では地表に達するまでの長い経路により低周波成分の多い地震となり、低周波に共振しやすい高層建築といった局在した場所で大きな震度を観測する傾向がある。 小笠原諸島西方沖地震 2015年5月30日発生、深さ682km、マグニチュード8.1 オホーツク海深発地震 2013年5月24日にカムチャッカ半島西方のオホーツク海で発生した深さ609km、マグニチュード8.3の地震では、北海道宗谷地方や秋田市で震度3を観測したが、より震源に近い斜里町では震度1だった。またメルカリ震度階級での比較では、東京は震度IIだったが、さらに遠いカザフスタンのアティラウではより強い震度V、ドバイやインドのノイダ、中国の重慶では震度IVが観測された。7000km離れたロシアのモスクワでも有感地震となり、観測した震度はIII(気象庁震度階級では震度2程度に相当)だったが老朽化したアパート2棟から住民約850人が路上に避難する騒ぎがあった。
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