大相撲名古屋場所中継中止問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 00:01 UTC 版)
「表現の自主規制」の記事における「大相撲名古屋場所中継中止問題」の解説
特筆すべきは、NHK(日本放送協会)による、2010年に明らかになった相撲界の野球賭博問題を受けた大相撲名古屋場所中継中止である。ラジオも含め、大相撲中継がないというのは稀な事態(テレビ中継では過去、例がない)であり、日本の放送業界全体がいわば「利益衡量」基準による「自主規制の決定過程」まで視聴者(国民)に示した。 すなわちNHKは直近の大相撲名古屋場所について、視聴者からの反対意見の多いことを主な理由に、名古屋場所が開催されるとしても中継放送の中止の検討を行っていることを公表した。これについて民間放送(民放)各社は、NHKが日本相撲協会に支払っている放送権料は視聴者の受信料であり、多くの反対意見に逆らって放送することは、すなわち視聴者の利益を損なうものになると解説した。 そして鳥越俊太郎は、「反対意見」の信憑性について触れ「声なき声、つまりこの場合の「賛成意見」は寄せられないものであるから、世論実態はどうなのかをよく調査・検討して放送中止の判断をすべきである。また賛成意見に応えるために、中止したとしても、勝敗結果などはダイジェストで放送すべきである。」と述べ、結果、NHKの決定もそうなったことである。現在進行中の案件に係る放送局の自主規制決定過程が、リアルタイムにここまで明らかにされたのは過去、およそ例がない。
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