大相撲令和7年9月場所とは? わかりやすく解説

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大相撲令和7年9月場所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/03 17:57 UTC 版)

大相撲令和7年9月場所
基本情報
会場 国技館(両国国技館)
番付発表 2025年9月1日
開催期間 2025年9月14日 - 9月28日(15日間)
各段優勝・三賞
幕内最高優勝 大の里泰輝(13勝2敗)
十両優勝 朝白龍太郎(13勝2敗)
幕下優勝 島津海空(7戦全勝)
三段目優勝 一意虎風(7戦全勝)
序二段優勝 可貴秀太(7戦全勝)
序ノ口優勝 龍葉山高志(7戦全勝)
殊勲賞 伯桜鵬哲也
敢闘賞 隆の勝伸明
技能賞 安青錦新大
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大相撲令和7年9月場所(おおずもうれいわ7ねん7がつばしょ)は、2025年(令和7年)9月14日から9月28日までの15日間、日本東京都墨田区国技館(両国国技館)で開催された大相撲本場所である。

番付・星取表

赤文字は優勝力士の成績。

幕内

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
優勝 13勝2敗 大の里 横綱 豊昇龍 13勝2敗 横綱大関
9勝5敗1休 琴櫻 大関
6勝9敗 若隆景 関脇 霧島 6勝9敗
7勝8敗 髙安 小結 安青錦 11勝4敗 新小結
技能賞
6勝9敗 玉鷲 前頭1 阿炎 3勝12敗
殊勲賞 8勝7敗 伯桜鵬 前頭2 王鵬 10勝5敗
5勝10敗 熱海富士 前頭3 豪ノ山 1勝14敗
8勝7敗 平戸海 前頭4 若元春 9勝6敗
3勝12敗 琴勝峰 前頭5 一山本 4勝11敗
7勝8敗 阿武剋 前頭6 草野 8勝7敗
敢闘賞 12勝3敗 隆の勝 前頭7 欧勝馬 9勝6敗
10勝5敗 宇良 前頭8 金峰山 7勝8敗
7勝8敗 翠富士 前頭9 藤ノ川 6勝9敗
7勝8敗 大栄翔 前頭10 美ノ海 9勝6敗
10勝5敗 正代 前頭11 狼雅 7勝8敗
全休 尊富士 前頭12 御嶽海 7勝8敗
5勝10敗 明生 前頭13 時疾風 7勝8敗
6勝9敗 佐田の海 前頭14 朝紅龍 6勝9敗
9勝6敗 翔猿 前頭15 湘南乃海 7勝8敗 再入幕
再入幕 9勝6敗 友風 前頭16 錦木 2勝13敗 再入幕
再入幕 9勝6敗 竜電 前頭17 日翔志 7勝8敗 新入幕
10勝5敗 獅司 前頭18

十両

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
7勝8敗 大青山 十両1 欧勝海 9勝6敗
8勝7敗 琴栄峰 十両2 千代翔馬 9勝6敗
全休 遠藤 十両3 錦富士 11勝4敗
8勝7敗 十両4 三田 9勝6敗
7勝8敗 栃大海 十両5 藤青雲 10勝5敗
6勝9敗 嘉陽 十両6 東白龍 4勝11敗
4勝11敗 玉正鳳 十両7 英乃海 6勝9敗
9勝6敗 羽出山 十両8 荒篤山 8勝7敗
8勝7敗 白熊 十両9 剣翔 5勝10敗
7勝8敗 白鷹山 十両10 宮乃風 3勝12敗
8勝7敗 風賢央 十両11 朝白龍 13勝2敗 新十両
5勝10敗 宝富士 十両12 朝翠龍 7勝8敗 新十両
新十両 6勝9敗 旭海雄 十両13 朝乃山 12勝3敗 再十両
7勝8敗 紫雷 十両14 西ノ龍 8勝7敗 新十両

優勝争い

横綱・豊昇龍が初日から8連勝。自身初の中日勝ち越しを決めた。

10日目終了時点で、全勝は豊昇龍、1敗で追うのは、横綱・大の里のみ。2敗で、小結・安青錦、平幕・隆の勝正代竜電の4人が追う展開であった。

11日目、2敗勢は直接対決が組まれ、隆の勝と竜電の対戦は、隆の勝が叩き込みで勝利。安青錦と正代の対戦は、正代が寄り倒しで勝利した。豊昇龍は霧島を圧倒、大の里は高安に土俵際まで押し込まれるも、おっつけからのいなしで逆転、突き出しで勝利した。この時点で全勝・豊昇龍を、1敗・大の里、2敗・隆の勝、正代が追う展開に変わった。

12日目、正代は平幕・竜電と対戦、竜電に右上手を取られ、寄り切りで敗れた。

隆の勝は、大関・琴櫻との対戦が組まれた。琴櫻の攻めを残した隆の勝がのど輪で逆襲、押し出しで勝利。

大の里は関脇・霧島をよく見て、押し出し。豊昇龍は小結・安青錦に突っ張りで起こそうとするも、安青錦がしのぎ、左下手を取った。豊昇龍が小手投げをするも、外掛けで残し、そのまま切り返しで安青錦が勝利した。これにより、豊昇龍の連勝は11で止まり、1敗で両横綱が並び、2敗で隆の勝が追う展開に変わった。

13日目、隆の勝は安青錦と対戦、隆の勝が必死の突きをみせるも、それをかいくぐった安青錦が渡し込みで勝利。隆の勝は3敗に後退した。豊昇龍は大関・琴櫻と対戦、寄り切りで敗れ、2敗に後退した。大の里は若隆景と対戦、若隆景に上手を許すも、身体を寄せ、寄り切りで勝利。これにより、大の里が1敗で単独トップに立った。

14日目は琴櫻が膝の負傷で休場となり、大の里が1敗をキープ。豊昇龍は若隆景に立ち合い右に動いての勝利。これにより、千秋楽結びの一番に幕内優勝の行方が委ねられることとなった。

千秋楽、豊昇龍は諸手突きの立ち合いで、大の里を起こし、そのまま押し出しで勝利。13勝2敗で両横綱が並ぶこととなった。

優勝決定戦。豊昇龍は立ち合いすぐに上手をとるも、大の里は右をのぞかせ、そのまま左溜りにもたれ込んで、寄り倒しで軍配をもらう。その後、大の里の足が返っていたのではないかと物言いがつくも、返っておらず軍配通り。大の里が2場所ぶり5回目、横綱としては初優勝を掴むこととなった。

備考

  • 東関脇の若隆景は直近2場所で三役の地位で2桁勝利を挙げており、この場所が大関昇進のかかる場所だった[1]。しかし結果は6勝9敗の負け越しに終わり、大関取りは振り出しに戻った[2]
  • 西小結の安青錦は、年6場所制となった1958年以降では最速となる、前相撲から所要12場所での新三役昇進となった。ウクライナ出身者としても初めての三役昇進である[3]
  • この場所は高砂部屋から3人の十両昇進者(朝白龍朝翠龍朝乃山)が誕生した。同部屋から3人同時の昇進は1979年9月場所の佐渡ヶ嶽部屋琴の龍琴千歳琴立山)以来、46年ぶり[4]
  • 再十両の朝乃山は史上初めて、2度目となる三段目転落からの十両復帰を果たした[5]
  • この場所後の9月29日限りで17代大嶽(元十両・大竜1960年9月30日生まれ)が停年(定年)を迎えるため、大嶽部屋の所属力士はこの場所が17代大嶽の弟子として臨む最後の本場所になった[6]
  • この場所6日目の9月19日に、元幕内で西幕下7枚目の水戸龍が現役を引退した[7]
  • 三賞は、殊勲賞を4日目に大の里から金星を獲得した伯桜鵬が、敢闘賞を終盤まで優勝争いに加わって12勝を挙げた隆の勝が、技能賞を新三役で11勝を挙げた安青錦が、それぞれ受賞した[8]。また、豊昇龍の初日からの連勝を11で止めた安青錦が豊昇龍優勝を条件に殊勲賞受賞対象となったが、こちらは大の里が優勝したため、受賞することはできなかった。
  • この場所後、17代大嶽改め18代熊ヶ谷(9月29日付で名跡変更)[6]、19代陣幕(元幕内・富士乃真[9]、特等床山床中[10]の3人が停年を迎えた。
  • 横綱同士での対戦は、令和2年3月場所白鵬鶴竜以来、実に5年半ぶりのことである。また、横綱同士の優勝決定戦は、平成21年秋場所の白鵬対朝青龍以来、16年ぶりである。
  • 十両は、12日目を終えて、10勝2敗で朝白龍朝乃山の2人が先頭。3敗で追うのは、欧勝海錦富士であった。13日目、朝白龍は欧勝海と対戦し、寄り倒しで勝利。 朝乃山は錦富士と対戦するも、錦富士の会心の当たりからの上手投げに屈し、3敗に後退した。14日目は2敗の朝白龍、3敗の錦富士、朝乃山の3人は揃って白星。千秋楽、朝乃山が三田を破り、3敗をキープ。その後の朝白龍と錦富士の直接対決次第で、優勝決定巴戦の可能性もあったが、朝白龍は錦富士を寄り切りで破り、13勝2敗で十両優勝を決めた。
  • 14日目終了時点、大の里は今年の幕内勝利数が60勝に到達。この時点で年間最多勝受賞が確定した。千秋楽には、大の里は本割で敗れるも、勝利数で後続であった若隆景霧島安青錦がいずれも敗れ、星の差が16となったこともあり、単独での年間最多勝受賞も確定した。横綱の年間最多勝受賞は、2021年の照ノ富士以来のことである。
  • 玉鷲は、今場所中に通算出場回数が1733回に到達。魁皇を超えて、歴代5位に到達した。幕内出場回数は1437回に到達。こちらは高見山を超えて、歴代3位となった。
  • 場所後の10月1日に、元関脇で東十両12枚目の宝富士が現役を引退し、年寄・桐山を襲名した[11]
  • 裏方については、場所後に行司呼出・床山合計10人の昇進が発表され、十両格以上の行司と、番付に掲載される範囲の呼出・床山に関して言えば、木村光之助(十両格行司→幕内格行司)、式守一輝(幕下格行司→十両格行司)、克之副立呼出立呼出)、志朗三役呼出→副立呼出)、床好(一等床山→特等床山)が対象となり、2026年1月場所より適用される予定である[12]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 大相撲秋場所番付発表 “若隆景 東の関脇で大関昇進に挑む”」『NHK』2025年9月1日。2025年9月1日閲覧。
  2. ^ 若隆景 大関取り場所は6勝に終わり「力不足」、三役から陥落の可能性も」『スポーツ報知』2025年9月28日。2025年9月28日閲覧。
  3. ^ 史上最速昇進の新小結・安青錦が会見「上がってからが大事。満足するところじゃない」」『スポーツ報知』2025年9月1日。2025年9月1日閲覧。
  4. ^ 高田文太「高砂部屋で46年ぶり「トリプル十両昇進」石崎改め朝翠龍&朝白龍&朝乃山 高砂親方「最高」」『日刊スポーツ』2025年7月30日。2025年9月1日閲覧。
  5. ^ 史上初!朝乃山、2度の三段目転落を経て関取復帰 昨年7月に左膝前十字靱帯断裂などの大けが」『日刊スポーツ』2025年7月30日。2025年9月1日閲覧。
  6. ^ a b 大嶽部屋、元玉飛鳥の熊ケ谷親方が秋場所後から新師匠「部屋が残るということでホッと」大嶽親方」『日刊スポーツ』2025年7月31日。2025年9月1日閲覧。
  7. ^ 元幕内で西幕下7枚目の水戸龍が引退 20日師匠の錦戸親方とともに記者会見」『日刊スポーツ』2025年9月19日。2025年9月28日閲覧。
  8. ^ 大相撲秋場所 安青錦が技能賞 新入幕から4場所連続で三賞獲得」『NHK』2025年9月28日。2025年9月28日閲覧。
  9. ^ 陣幕親方「心肺停止7分しまして1年ぐらい記憶喪失がありました」」『サンスポ』2025年9月22日。2025年9月28日閲覧。
  10. ^ 佐々木一郎「朝青龍も結った 特等床山の床中が65歳定年「やっとゆっくりできます」47年半のまげ人生に幕」『日刊スポーツ』2025年9月28日。2025年9月28日閲覧。
  11. ^ 宝富士が引退、年寄「桐山」襲名 元関脇、09年初場所初土俵以来休場なしの鉄人」『日刊スポーツ』2025年10月1日。2025年10月1日閲覧。
  12. ^ 日本相撲協会が行司、呼び出し、床山10人の昇進承認 日刊スポーツ 2025年10月2日 21時27分

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