大気圧研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 15:04 UTC 版)
「オットー・フォン・ゲーリケ」の記事における「大気圧研究」の解説
1650年、任意の容器に接続でき、シリンダーとピストンでその容器内の空気を排気する真空ポンプを発明し、真空の特性の研究に使った。真空中では音が聞こえない、火が消える、果物を長く保存できる、などの実験をしている。 ゲーリケは気圧の力についての実験を公開している。銅製の半球状容器(マクデブルクの半球)を2つ組み合わせ、その内部の空気を真空ポンプで排気すると、2つの半球は容易に離れないという実験である。1663年にはベルリンのブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムの前で、24頭の馬を使った同じ実験を披露している。 このような実験は、アリストテレスが「自然は真空を嫌う」と述べたことによる「真空嫌悪」説(つまり、真空という状態は作れないとする仮説)への反証となり、長年の哲学者および科学者の議論に終止符が打たれた。ゲーリケはまた、真空が物体をひきつけるのではなく、周辺の流体が物体に対して圧力をかけていることを証明した。 ゲーリケはまた気圧計を用いてはじめて科学的な天気予想を行い、それが気象学の先駆けとなった。容器の排気前後での重さの差から空気の重さを算出し(その値は1リットルあたり約1.3グラムとほぼ正確であった)、計量に用いた天秤をそのままにしておいたところ、日によって傾きが変わることから、大気圧に変動があることに気づいたという。
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