大気差によるずれの角とは? わかりやすく解説

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大気差によるずれの角

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:15 UTC 版)

大気差」の記事における「大気差によるずれの角」の解説

大気差によって星や惑星太陽見かけ位置が上にずれる。この角度の計算は、大気の状態によってずれの角度違い簡単に計算することは難しい。厳密に計算をするためには光の経路沿って大気密度温度湿度大気成分などの光の屈折関係するすべての状態を知らなければならないが、現実には不可能である。幸いなことに、高層大気は状態が大きく変化することは少なく地上観測データによって多少修正を行う事で対応することが多い。厳密な位置観測をする天文台では、それぞれの天文台長年観測した結果から、自分天文台適した独自の計算式補正表を作ることが多い。一般的な計算いろいろなものが作られているが、その中で比較簡単なものを示す。 大気まったくない考えた場合見え恒星天頂距離90度-高度)を z ′ {\displaystyle z'} 、大気存在するために実際に恒星観測される天頂距離を z ″ {\displaystyle z''} とする。大気によって恒星浮き上がり天頂距離が減る(高度が上がる角度をRとする。このRが大気差であって次のような式で書くことがある。 R = z ′ − z ″ = A tan ⁡ z ′ + B tan 3 ⁡ z ′ {\displaystyle {\begin{aligned}R&=z'-z''\\&=A\tan z'+B\tan ^{3}z'\\\end{aligned}}} A,Bの数値今まで研究から地上気温0℃地上気圧1気圧(1,013.25ヘクトパスカル)の条件に対して A = 60 ″ .0615 , B = − 0 ″ .0841 {\displaystyle A=60''.0615,B=-0''.0841} 程度求められている。 気温気圧補正入れる時は、Tを地上気温)、pを地上気圧ヘクトパスカル)として、 R = ( 60 ″ .0615 tan ⁡ z ′ − 0 ″ .0841 tan 3 ⁡ z ′ ) ( 273.15 / ( 273.15 + T ) ) ( p / 1013.25 ) {\displaystyle R=(60''.0615\tan z'-0''.0841\tan ^{3}z')(273.15/(273.15+T))(p/1013.25)\!} を使用する湿度観測地の高度を考慮した式もあるが、いずれにせよ大気の状態は一定でないので厳密な式は存在しない。たとえば、上の式はあまり高度が低い恒星には当てはめることはできず、 z ′ ≤ 75 ∘ {\displaystyle z'\leq 75^{\circ }} 程度でしか成り立たない。 z ′ = 75 ∘ {\displaystyle z'=75^{\circ }} で標準偏差が 1 ″ {\displaystyle 1''} 以内といった程度である。天頂距離75 ∘ {\displaystyle 75^{\circ }} を越すと、一般式大気差を表すことが困難になる大気屈折率違いによって光の分散がおき、恒星は点像ではなく色によって上下伸びた細長い形に見える。地平線に近い恒星1点として式であつかうのは無意味となってくる。

※この「大気差によるずれの角」の解説は、「大気差」の解説の一部です。
「大気差によるずれの角」を含む「大気差」の記事については、「大気差」の概要を参照ください。

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