夜行新幹線計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)
山陽新幹線開通前に「夜行新幹線」も計画され、山陽新幹線技術基準調査委員会報告(1966年)では、東京から博多の間を一晩に計24本で運行した場合、片道平均5,000から7,000人の需要があると見込んでいた。新幹線の夜間運行は片側1路線を運用し、もう片側の路線は保守点検して運行するという計画だった。また当時は四国新幹線や中国横断新幹線の計画も含め衝突を避けて夜間運行を実現させるために姫路駅の新幹線13番ホームを待避線に、待避駅として西明石駅・相生駅が建設された。しかし名古屋新幹線訴訟などの新幹線の騒音問題が浮き彫りになったことや国鉄分割民営化で夜行新幹線の計画は実現しなかった。 大規模なイベントにあわせて、臨時列車として夜行新幹線が運転されたことはある。2002 FIFAワールドカップの際には東海道新幹線・上越新幹線で深夜帯に臨時列車が運転された。2020年東京オリンピックでは、宮城スタジアムで行われるサッカー競技の試合に合わせ、東北新幹線の仙台駅 - 盛岡駅間、仙台駅 - 東京駅間で臨時の夜行新幹線を走らせる予定があったが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、宮城では有観客の開催となったものの、感染拡大防止の観点から夜行新幹線の運転は中止され幻となった。 大阪産業大学工学部の波床正敏・井上喜裕らのように、新幹線の夜行運行の適用可能性を環境負荷と発着時間帯の観点から検討し、発着時間帯の設定自由度が従来の夜行列車より高く有望であるとする考えもある。
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