多項式の決定とは? わかりやすく解説

多項式の決定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 02:44 UTC 版)

多項式函数 (初等数学)」の記事における「多項式の決定」の解説

ℝ または ℂ 上定義された n 次多項式函数が、n より大きな回数 0 になることはないことが示せる。したがって次数高々 n の二つ多項式が、n 個より多くの点で一致しているならば、両者恒等的に一致次数等しくかつすべての係数等しい)していなければならない。これを「多項式の決定」(identification; 同定) あるいは係数比較という。 これは特定の式に対すより良い近似式見つける方法与え効果的な性質である。 例 1 全ての実数 x に対し x3 + 3x2 − 16x + 12 = (x − 2)(x2 + ax + b) となる a, b を求めよf(x) := x3 + 3x2 − 16x + 12, g(x) := (x − 2)(x2 + ax + b) とおいて g(x) を展開する: g(x) = x3 + (a − 2)x2 + (b − 2a)x − 2b. 二つ多項式函数三点上で一致しているから恒等的に等しくなり、ともに同じ次数 3持ちすべての次数係数それぞれ等しい。言葉変えれば、すべての x において f(x) = g(x) となるための必要十分条件は { 1 = 1 3 = a − 2 − 16 = b − 2 a 12 = − 2 b ⟺ { a = 5 b = − 6 . {\displaystyle {\begin{cases}1=1\\3=a-2\\-16=b-2a\\12=-2b\end{cases}}\iff {\begin{cases}a=5\\b=-6\end{cases}}.} したがってf(x) = (x − 2)(x2 + 5x − 6) を得る。 例 2 f(x) = x4 − 4x3 + 9x2 − 10x − 1 で定義される多項式函数グラフ方程式 x = 1 で表される直線を軸とする対称性を持つことに注意するすべての実数 x に対して f(x) = (x − 1)4 + a(x − 1)2 + b を満たす二つ実数 a, b を求めよ。g(x) := (x − 1)4 + a(x − 1)2 + b とおき、g(x) をよく知られた公式(二項定理)によって展開する:g(x) = x4 − 4x3 + (6 + a)x2 − (4 + 2a)x + 1 + a + b, よって係数比較: { 1 = 1 − 4 = − 4 9 = 6 + a 10 = 4 + 2 a1 = 1 + a + b ⟺ { a = 3 b = − 5 {\displaystyle {\begin{cases}1=1\\-4=-4\\9=6+a\\10=4+2a\\-1=1+a+b\end{cases}}\iff {\begin{cases}a=3\\b=-5\end{cases}}} により f(x) = (x − 1)4 + 3(x − 1)2 − 5 を得る。 例 3 x ≠ 2 で定義され有理函数 f(x) := 2x2 + 3x − 5/x − 2 を簡約形にせよ。すなわち、任意の x ≠ 2 に対して f(x) = ax + b + c/x − 2 を満たす実数 a, b, c を求めよ。g(x) := ax + b + c/x − 2 とおいて通分すれば g(x) = ax2 + (b − 2a)x + c − 2b/x − 2. 二つ函数 f, g は分母等しいから、両者が x ≠ 2 で一致するための必要十分条件は、両者分子が x ≠ 2 で一致することである。これらの分子はともに二次多項式で二点以上で一致しているから両者係数比較 { 2 = a 3 = b2 a − 5 = c − 2 b ⟺ { a = 2 b = 7 c = 9 {\displaystyle {\begin{cases}2=a\\3=b-2a\\-5=c-2b\end{cases}}\iff {\begin{cases}a=2\\b=7\\c=9\end{cases}}} により f(x) = 2x + 7 + 9/x − 2 を得る。

※この「多項式の決定」の解説は、「多項式函数 (初等数学)」の解説の一部です。
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