多項式不変量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 14:30 UTC 版)
詳細は「結び目多項式(英語版)」を参照 結び目の不変量で、特に「多項式」となっているものを多項式不変量という。多項式不変量の最初の例は、1928年にアレキサンダーが構成したアレクサンダー多項式である。これは絡み目の補空間の基本群から定義できる。その後、コンウェイによるアレクサンダー多項式のスケイン関係式による再定式化(アレキサンダーコンウェイ多項式)を経て、1984年にジョーンズによって全く新しい多項式不変量ジョーンズ多項式が発見された。これは長らく唯一であった多項式不変量に新たな種類を付け加えたのみならず、統計力学や量子場の理論、量子不変量、量子群など他の分野との関連の膨大な研究を生み出すことになった。さらにその後アレキサンダー多項式、ジョーンズ多項式をそれぞれ特殊な場合に含むホンフリー多項式が発見され、これらの他にも幾つかの多項式不変量が知られている。 しかし、上に挙げたどの多項式不変量も完全に結び目を分類することはできない。つまり同じ多項式の値を持つ異なる結び目が存在するのである。スケイン関係式を満たすどんな多項式不変量も、完全には結び目を分類できないかどうかなどについてはまだわかっていない。
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