結び目(絡み目)多項式との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 21:22 UTC 版)
「コバノフホモロジー」の記事における「結び目(絡み目)多項式との関係」の解説
2006年の国際数学者会議でミハイル・コバノフは、コバノフホモロジーの観点より、結び目多項式の関係の説明を提案した。3つの絡み目 L 1 , L 2 {\displaystyle L_{1},L_{2}} , L 3 {\displaystyle L_{3}} のスケイン関係式は、次のようになる。 λ P ( L 1 ) − λ − 1 P ( L 2 ) = ( q − q − 1 ) P ( L 3 ) . {\displaystyle \lambda P(L_{1})-\lambda ^{-1}P(L_{2})=(q-q^{-1})P(L_{3}).} この式に λ = q n , n ≤ 0 {\displaystyle \lambda =q^{n},\ n\leq 0} と代入すると絡み目多項式不変量 P n ( L ) ∈ Z [ q , q − 1 ] {\displaystyle P_{n}(L)\in \mathbb {Z} [q,q^{-1}]} が導かれる。この式で、 n > 0 {\displaystyle n>0} に対し、次のように正規化する。 P n ( u n k n o t ) = q n − 1 + q n − 3 + ⋯ + q 1 − n {\displaystyle P_{n}(unknot)=q^{n-1}+q^{n-3}+\cdots +q^{1-n}} また、 P 0 ( u n k n o t ) = 1 {\displaystyle P_{0}(unknot)=1} とする。 n > 0 {\displaystyle n>0} について、多項式 P n ( L ) {\displaystyle P_{n}(L)} は、量子群 s l ( n ) {\displaystyle sl(n)} の表現論を通して解釈することができ、また P 0 ( L ) {\displaystyle P_{0}(L)} は、量子リー超代数(英語版) U q ( g l ( 1 | 1 ) ) {\displaystyle U_{q}(gl(1|1))} を通して解釈することができる。 アレクサンダー多項式 P 0 ( L ) {\displaystyle P_{0}(L)} は二重結び目ホモロジー論のオイラー標数である。 P 1 ( L ) = 1 {\displaystyle P_{1}(L)=1} は自明である。 ジョーンズ多項式 P 2 ( L ) {\displaystyle P_{2}(L)} は二重絡み目ホモロジー論のオイラー標数である。 ホムフリー多項式(HOMFLY多項式、もしくはHOMFLYPT多項式)は、三重次数付き絡み目ホモロジー論のオイラー標数である。
※この「結び目(絡み目)多項式との関係」の解説は、「コバノフホモロジー」の解説の一部です。
「結び目(絡み目)多項式との関係」を含む「コバノフホモロジー」の記事については、「コバノフホモロジー」の概要を参照ください。
- 結び目多項式との関係のページへのリンク