基地周辺対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 00:36 UTC 版)
上記のように、基地がもたらす外部不経済の緩和策の担当官庁であり、基地周辺住民・自治体にとっては防衛庁、自衛隊などより身近な面で接するところがある。その中で中心的な行為は損失補償・防音対策工事などである。当初は行政措置により実施されてきた障害対策もあったが、徐々に立法措置で包含する範囲が拡大していく。根拠法については下記のような変遷を辿ってきた。 1953年 - 日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律(特損法) 1966年 - 防衛施設周辺の整備等に関する法律(廃止後「旧整備法」と呼称) 1974年 - 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律 特に、基地周辺の住宅防音工事(通称、民防工事)は周辺対策の中でも最重点対策として位置づけされた。旧整備法の成立は民間空港の騒音対策を対象とした「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」より1年早かった。1973年には環境庁より「航空機騒音に係る環境基準について」と言う告示が出され、軍用、民間を通じた国内のスタンダードとして位置づけされる。 基地関係については全国約30箇所の飛行場周辺を対象に継続されていった。防音工事の対象とされたのは第一種区域(75WECPNL以上)と言われる区域であった。特に工事が活発であったのは1980年代までだが、その累計額は1974年から2004年度までで約40万世帯、総額1兆6000億円に達する。 また、第二種区域(WECPNL90以上)では移転補償が実施され、飛行場によっては集落の集団移転も実施された。第三種区域(WECPNL95以上)では緑地帯の整備が実施される。 反対に飛行ルートそのものを住宅地域から遠ざけるため、基地の側が移転を計画したケースもある。岩国飛行場の沖合展開、普天間基地移設問題はこのために発生した。新設基地でもこのような措置が考慮されることもあり、舞鶴基地で長浜地区に2001年完成したヘリ部隊用の舞鶴航空基地などが例として挙げられる。
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