地球への衝突リスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/22 01:59 UTC 版)
「(143649) 2003 QQ47」の記事における「地球への衝突リスク」の解説
発見直後、2014年3月21日に25万分の1の確率で地球に衝突する可能性があるという速報がなされたために「巨大小惑星、2014年に地球に衝突か」とメディアに取り上げられ、一時的に有名になった。 この騒ぎを受けてNASAのスポークスマンは2003年9月3日、数日内により詳しい観測結果が出ることで衝突の危険度がより下げられるだろうという見通しを明らかにした。 新たに発見された小惑星 2003 QQ47 は、2014年に地球に衝突する可能性がわずかにあるとされたために、ここ数日の間にメディアからの大きな関心を集めている。この小惑星はトリノスケールの0から10までの危険度のうち「1」に分類され、JPLのSENTRYシステム(自動地球近傍小惑星衝突監視システム)により衝突の可能性は25万分の1と見積もられ、その結果は2003年8月30日土曜日に「Impact Risk Page」に掲載されている。トリノスケールでレベル1という衝突可能性は天文学者による細心の観測に値するものだが、公共の注意を惹くにはあたらない出来事である。事実、毎年発見される小惑星のうち、発見直後はレベル1に分類されるものはいくつかあり、2003年に発見された小惑星のうちレベル1に分類されたものは、2003 QQ47 で4回目になる。天文学者による観測と位置測定は引き続き行われている。2003年9月2日に2003 QQ47 の新たな観測結果が得られ、2014年の最接近での衝突確率は低められることになっている。 この時点で、観測結果により2014年の衝突可能性は除外され、「Impact Risk Page」からは 2003 QQ47 の2014年以後の衝突可能性も除外された。その後の推計では、2003 QQ47 は2014年3月26日に、地球から0.1283天文単位(約19,190,000キロメートル)も離れたところを通過するとされている 。 2003 QQ47 は直径がおよそ1.24キロメートルあり、質量はおよそ2.0 ×1012 キログラム(2兆キログラム、20億トン)ある。もしこのサイズの小惑星が地球に衝突すれば、そのエネルギーはTNT換算で3.5×1012 Mt(35万メガトン、広島型原爆の2億発以上分)になり、地球全体に甚大な被害を及ぼすことになる。 この小惑星発見の際に起こったメディアの過剰報道のように、小惑星のニュースが混乱を起こす事例が多いため、トリノスケールの警告としての信頼性を向上させ発表の際に過剰な反応を起こしにくくするよう、説明文は大きく改訂された(トリノスケールの項を参照)。
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