地球への衝突の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 00:46 UTC 版)
「ベンヌ (小惑星)」の記事における「地球への衝突の可能性」の解説
2009年に数学者のアンドレア・ミラニと共同研究者が報告した天体力学に基いた研究によると、ベンヌは2169年から2199年までの間に8回、地球に接近し、そのどれかで地球へ落下する可能性が有ると判明した。2009年の段階では、この小惑星を構成する物質が何であるかはほとんど分かっておらず、さらに、小惑星の形状すらも正確には判っていなかったために不確定な要素が多いものの、衝突の確率は8回の可能性を合計しても、最大で0.07パーセントと、2009年に推定された。しかしながら、この確率は、他の既知の天体よりも際立って高い確率である。地球近傍小惑星は一般に公転軌道が不安定であるため、ベンヌが地球に衝突する可能性をさらに精密に計算するには、この小惑星の形状をより正確に把握し、少なくとも複数年に及ぶレーダー観測と光学観測を継続してヤルコフスキー効果による影響がどの程度かを見極める必要がある。 2021年8月、2300年までにベンヌが地球に衝突する確率は、2014年の研究結果から得られた2700分の1とする確率よりも高い、1750分の1であるとする研究結果が発表された。これは、オサイリス・レックスによる観測結果から得られたデータを基に2135年9月にベンヌが地球近辺を通過する際の地球との距離が精密に求められ、さらに太陽系の惑星や300以上の小惑星の重力がベンヌに与える影響を計算した結果、従来の計算よりも2100年代後半から2200年代初頭にかけて地球に衝突する可能性が上がったことによるものである。
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