地熱の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 18:36 UTC 版)
マントルの上昇部分は地熱が豊富にあるが、ほとんどが深海底の海嶺となっており利用は困難。マントル上昇部分が地上にあるアイスランドは世界で唯一の例外であり、全土が地熱地帯と言っても良く、暖房や温室などに利用されている。その他の地域ではマントルの熱を直接利用することはほとんど不可能。そのためアイスランド以外の場所で最も利用される方法が火山の地下にあるマグマの持つ熱を利用する方法である。マグマは固体岩石の地殻の中にある溶融岩石(液体)なので、地殻深部やマントルの熱を素早く地表まで持ってくることができる。 地熱の回収には、噴出する熱水や水蒸気をそのまま利用する方法と、熱水から沸点の低い流体に熱交換して利用する方法、地下に水を流し込んで熱により水蒸気に変化したものを回収する方法などがある。日本は火山が多いため、火山のない国と比べると地熱資源に恵まれている。地熱は二酸化炭素を出さず一年を通して安定した供給が得られるため、次世代のクリーンエネルギーとして注目され、現在効率的な利用について研究が進められている。 また、地上の温度と地下の温度の温度差を利用する方法(地中熱)もあり、この場合は地下の温度が特に高くなくてもよいのでどこでも利用できる。
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