地役権設定行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 07:57 UTC 版)
地役権は土地所有者と地役権者との設定行為により取得できる(280条本文)。設定行為は通常は契約(地上権設定契約)であるが遺言でもよい。地役権は第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る)に違反しないものでなければならない(280条但書)。 要役地の一部のための地役権設定については肯定説(有力説)と否定説があるが、いずれにしても登記実務上は筆単位でしか設定できない。他方、承役地の一部への地役権設定は可能である。同一承役地の上に数個の地役権を設定をすることもできる(285条2項参照)。 後述のように要役地上の地上権者、永小作権者、賃借人は地役権を行使しうるが、地役権の設定については所有者限定説と所有者非限定説が対立する。地上権者や永小作人による設定については肯定的な見解が多いとされるが、所有者非限定説に立つ場合にも現行法上登記方法がなく要役地の従たる権利にとどまるという問題がある。なお、判例は賃借人による地役権設定につきこれを否定している(大判昭2・4・22民集6巻199頁)。 なお、地役権は併存しうるものである限り多重的に設定することも可能で、例えば同一の承役地上に通行地役権と眺望地役権を設定しうる。
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