地役権の消滅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 13:46 UTC 版)
土地(承役地または要役地)の滅失、存続期間満了、地役権の放棄、混同により地役権は消滅する。このほか第三者が承役地を時効取得した場合、地役権が消滅時効にかかった場合にも地役権は消滅する。 承役地の時効取得承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する(289条)。ただ、この場合には承役地所有者が時効中断の手段をとらない限り、地役権者は地役権を失い不利益を被ることになるため、民法は承役地の占有者による時効取得にかかわらず地役権者の権利行使により地役権は消滅しないとする(290条)。なお、290条は「地役権の消滅時効」と表現しているが、290条は承役地の占有者が取得時効により承役地を取得した場合の地上権の扱いについて規定したものであることから、この語句は誤りであり適切ではないとされる。 地役権の時効消滅地役権も消滅時効にかかる(167条2項)。消滅時効の期間は不継続地役権については最後の行使の時から起算し、継続地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する(291条)。要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる(292条)。地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する(293条)。
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