地形にもたらす作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 22:18 UTC 版)
河道は恒久的な構造ではなく、自然の状態では水の各作用、土壌の侵食・削りだした土砂の運搬・流れが緩やかな部分への土砂の堆積によって数年から数十年(百年以上も)単位で位置を変える場合がある。また、河川はそのできてからの地形の変遷によって、幼年期・青年期・壮年期・老年期に大まかに分類される。まず平原の低いところに水が集まって河道が形成されるのが幼年期である。青年期になると、侵食が進むことで峡谷が形成される。峡谷は水量が多く侵食力の大きい下流の方が深く広くなる。また、同じ理由で渓谷は河口付近に誕生し、時とともに上流へと延びていくこととなる。壮年期に入ると侵食は流域の全域に及ぶようになり、源流である山岳も削られて鋭いものとなる。一方で下流では堆積が進んで平野が広がるようになり、堆積物による三角州も河口には形成されるようになる。老年期になると、侵食作用が著しく進み、山岳はすべて削られつくして準平原が広がるようになる。こうした準平原には山岳のわずかな残りである残丘が点在している。そしてこの準平原が地殻変動などで隆起することによって、再び幼年期からの川の成長が始まる。なお、実際には老年期にまで達する河川はごくわずかで、地球上にあるほとんどの河川は幼年期から壮年期に属する。これは、地殻変動や火山噴火、気候の変化や海面の高さの変化などの様々な要因によって、老年期に達する前に地形の若返りが起こり、そこから再びサイクルが開始されるからであるとされる。こうした川を中心とした地形の変遷は地形輪廻とも呼ばれる。
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