地域社会への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 01:39 UTC 版)
「ゴイアニア被曝事故」の記事における「地域社会への影響」の解説
前年のチェルノブイリ原子力発電所事故の記憶が世界中でさめやらぬ中、ブラジル国内では衝撃をもって報道された。汚染が見つからなかったにもかかわらず風評被害によって農産物価格は50%下落、工業製品も40%下落、ゴイアニア市民は公的機関の非汚染証明書がなければタクシーもホテルも拒否されるという事態が起こった。 こうした差別や高濃度汚染地域からの強制退去に対して市民の反感も強く、モニタリング用に設置された累積線量計を取り除いたり線量測定の作業を妨害するなどの行為も見られた。 死亡した4人の葬儀の際には、遺体が高濃度に汚染されているとして、葬儀を妨害しようとする暴徒を排除しなければならなかった。4人とも棺は鉛を内張りし、墓地の外れの一角に4人分の墓を分厚いコンクリートで造営して埋葬された。 治療施設のあった場所は汚染が見られず現在は市民センターとなっている一方、デヴァイルの自宅兼解体工場の跡地は周囲に民家がびっしり建っているにもかかわらず現在も空き地のままである。ブラジルの各テレビ局は事故の記憶を風化させないために繰り返しドキュメンタリーや再現ドラマを放映しており、デヴァイルの弟(上述のイヴォとは別の弟)は被害者の会代表としてそのほとんどに出演、またイヴォの妻も繰り返しインタビューに応じている。しかし、ロベルトは事故を起こした張本人として身の危険を感じているのか顔を隠して出演している。
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