地図に引ける線は全てレイラインと呼べるか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 04:41 UTC 版)
「レイライン」の記事における「地図に引ける線は全てレイラインと呼べるか」の解説
地図上を眺めればそこにレイラインが浮かび上がってくることは、多くの人が賛同できるだろう。レイラインについて提唱されている古代の魔術的理論の信奉者、そしてそれに対する懐疑派どちらもが巨石群や遺跡をつないだ線が見えうるということには同意している。 懐疑派の多くは、ランダムに点描してもレイラインらしく見える直線が引けるという意見と、地図上に直線が見えることは矛盾しないし、矛盾しないが故にこの直線を別な方法で説明する必要もないと考えている。混沌魔術師[誰?]にはこの統計学的なアプローチと矛盾しない思想を持ち、自身の自然発生説と調和が取れていると主張する者[誰?]がいる。しかし、多くは上記のような統計学的アプローチは地図上に見える事実をきちんと説明できなければならないと考えている。詳細な検討は仮説検定、反証可能性、オッカムの剃刀に詳しい。 レイラインという並びの偶然性の真偽を議論するうえで、"直線"というものの定義を精確に行うことは有意義だ。ワトキンスのレイラインの精確な定義として一般に受け入れられているものとして以下が挙げられる。 遺跡などの数地点が少なくとも0.25度の円弧に含まれること ワトキンスはさらに、ラインの偶然性について、 図中に3点だけ描いたとき、その3点が直線をなしている可能性は1/720である しかし、こうした偶然の一致が起こる確率は打つ点数を増やせば速やかに増大する。ランダムに10点を打ったなら、平均して1本は3点が乗る直線が描けるし、12点打てば2本は引けるようになる。 3点が乗る直線が引けるからといって、それがすぐレイラインの存在を証明できるわけではない。しかし、綺麗に整ったそれらしい線が目の前に存在するではないか。 レイラインの存在は、少なくともそれらしい4点以上をもって確認すべきである。3点だけなら、価値の下がるほかのもの、直交する道やそれらしい街道などとともに確認するのが効果的だろう。 レイラインを地図の上で探していく上では、次のことにも充分注意を払わねばならない。1/10万の縮尺の地図上に幅0.5ミリメートルの線を引いたとして、それは実寸では幅50メートルの線になるのである。また、引いた線が0.25度ずれたとして、その直線を4.5キロ分(すなわち地図上で4.5センチ)延ばせば、地図上では200メートルずれることになる。
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