地図と等角航路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 00:20 UTC 版)
地図の投影法のうち、任意の地点で角度が保存される図法を正角図法と呼ぶ。メルカトル図法はその代表的な例である。 正軸法のメルカトル図法の地図上では任意の二点間の等角航路が直線で表されるため、海図として広く使用されてきた。 メルカトル図法で描かれた世界地図を目にすることは多い。この地図上では、等角航路が直線となるのに対し、大圏航路は極地に近づくように湾曲した曲線として描かれる。 たとえば、東京からサンフランシスコへ向かう場合、緯度はほぼ等しい(東京が北緯35度41分、サンフランシスコが北緯37度46分)ので、等角航路は緯線に沿ってほぼ東に向かう直線となる。これに対し大圏航路は、地図上では東京から北東に向かい、次第に東に向きを変えながら北緯50度近辺、アリューシャン諸島まで北上し、その後は南東へと向きを変える曲線となる。 しかしこの2つのコースを地球儀上に移し替えてみると、大圏航路がほぼ直線的な最短コースであるのに対し、等角航路が実際には南に湾曲した曲線であることがわかる。 航路を結ぶ2点が同じ経度にあり南北方向に進む場合、あるいは2点が共に赤道上で東西方向に進む場合のみ、等角航路は大圏航路と重なり最短距離となる。 メルカトル図法の他に、図法の中心点からの等角航路が正しく示される図法として 航程方位図法 が1935年に考案された。等角航路が直線になるのは図法の中心点からのみではあるものの、等角航路の長さも正しく、地球全体を表示しても有限で収まる。
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