園芸的利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/04 07:37 UTC 版)
大輪花、純白花、唇弁に大きな斑紋が1個だけある品種(園芸用語では「紅一点花(こういってんか)」と呼ぶ)、斑入りなど多様な変異個体が発見されており、園芸品種として増殖流通する。ただし比較的暑さを嫌い、関東以南の平低地・市街地での栽培にはあまり適していないため栽培・流通量は多くない。 同属のイワチドリと交配が可能。交雑種の「エノモトチドリ」Amitostigma Enomoto-chidori (愛好家の榎本一郎の栽培棚で虫媒によりできた自然実生が初記録。榎本自身はコイワチドリという名称で公表)は原種より強健で観賞価値も高いため、園芸流通量はコアニチドリ以上に多い。近年はそれぞれの原種の変異個体同士を人工交配することで、エノモトチドリの純白花や紅一点花も作出され流通している。 エノモトチドリは不稔に近いが、イワチドリの花粉を受粉させる「戻し交配」を行うと少数の種子が得られることがある。この交配種「サンラク」Amitostigm Sanraku(初発表品種の「三楽」に由来)も少量ではあるが園芸流通している。さらに戻し交配を進めた後代交配種も作出されているが、世代が進むと外見からは純粋な原種か、交配種か識別困難な個体が出てくるようになるので注意を要する。「オオイワチドリ」という商品名で流通している植物(野生個体が存在しない)も外見的な特徴から「サンラク」か後代交配種だと推測されているが、来歴に関する記録が無く、遺伝子解析なども行われていないため正体は不明である。
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