国際対空通信業務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 05:23 UTC 版)
「航空管制運航情報官」の記事における「国際対空通信業務」の解説
太平洋上を飛行する航空機のパイロットに対し、HFやER-VHFの周波数を使用して、航空管制官からの指示の伝達や航空情報の提供を行う業務である。日本の上空を飛ぶ航空機は、レーダー装置の画面上にどこを飛行しているか表示される。太平洋のような陸地のない広い海の上では、レーダーの電波が届かないのでレーダーの画面上に表示することができない。そこで、電離層反射により遠距離との通信が可能となるHF等を用いてパイロットと交信し、洋上を飛行中の航空機の位置を確認し管制官へ伝達する。また、管制官からの高度変更などの管制指示やパイロットからの変更要望などを伝達したり、乱気流などの気象情報等を収集し情報を必要とする航空機に提供したりすることで、広い洋上での安全飛行を確保している。 国際対空通信業務を行う東京国際対空通信局は国土交通省成田空港事務所に設置されている。東京国際対空通信局では、世界的に組織された通信ネットワークの通信局のひとつとして世界の主要航空路に沿って設定されている世界主要航空路区域(MWARA:Major World Air Route Area)のうちNP(北太平洋空域)及びCWP(中西部太平洋空域)と呼ばれるエリアを担当しており、主として福岡FIR内の洋上を飛行する航空機との交信を行っている。航空機との交信内容は関係する管制機関に伝達されるほか、洋上航空路の気象状態に関する通信の内容は気象庁へも伝達する。また、航空機との交信内容をそれぞれの航空会社に送信している。国際対空通信に使用される通信施設は遠距離対空通信施設と呼ばれ、HF通信を行うものは友部(送信)・坂戸(受信)・成田(送受信予備)に、ER-VHF通信を行うものは上品山・いわき・御宿に、それぞれ設置されている。 管制通信官と管制情報官が統合された現在も、国際対空通信業務を行う職員は法規上「航空管制通信官」として区別されるが、航空管制通信官は航空管制運航情報官の経験を有する職員の中から任命される。
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