国文学全集版源氏物語
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「与謝野晶子訳源氏物語」の記事における「国文学全集版源氏物語」の解説
1937年(昭和12年)2月に非凡閣から澪標巻から雲隠巻までの与謝野晶子による源氏物語の現代語訳を収めた『現代語訳国文学全集 第五巻 源氏物語 中』が刊行されている。この国文学全集版源氏物語は、桐壺から明石、までを収めた上巻(1936年(昭和11年)11月刊行)と匂宮から夢浮橋までを収めた下巻(1938年(昭和13年)10月刊行)は窪田空穂によるものである。この非凡閣の国文学全集版源氏物語は、当初は源氏物語全体を窪田一人が仕上げる予定であったらと見られる(逆に窪田は上巻のみを引き受けるつもりであったをみられる資料もある)が、窪田の体調のことなどから窪田一人で全体を完成させるのは無理であろうということになり結局中間部分を与謝野晶子が担当するようになったと見られる。与謝野晶子が本書を担当することになった経緯は不明ながら、「新訳源氏物語」・「新新訳源氏物語」とこの与謝野晶子が担当した部分の「国文学全集版源氏物語」を比較すると、「新訳源氏物語」よりはずっと「新新訳源氏物語」に近いものであることから、執筆途中であった「新新訳源氏物語」の原稿をこの国文学全集版のために流用したか、あるいは逆に国文学全集版執筆の成果が「新新訳源氏物語」に反映していると見られる。
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