国営根釧(こんせん)パイロット事業[リンク切れ]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:11 UTC 版)
「酪農」の記事における「国営根釧(こんせん)パイロット事業[リンク切れ]」の解説
1955年度~1966年度にかけて、北海道の根釧台地、別海町で行われた大規模酪農で、これは短期に酪農経営を確立することを目的として、世界銀行から融資を受けて行われた。開発は北海道、北海道開発局、農地開発機械公団(現緑資源公団)によりおこなわれ、約7000ヘクタールの原野を機械を用いて開墾した。最終的には約360戸が入植したが、当初国は乳牛の選択を間違いジャージー種であったために牛乳の生産性が低く経営の厳しさから事業が破綻し離農する者も多く見られた。乳牛をホルスタイン種に変え、さらに大規模化することで生産性は向上し、寒冷地であり太平洋沿岸からの霧が運ぶ豊富なミネラルが乳牛に最適な牧草を育み、アジア有数の大牧草地帯として成長した結果、高品質牛乳、ハーゲンダッツ社等の高級アイスの一大生乳原料供給地となっている。ここ一帯生産される生乳は各酪農家からミルクローリー車で各社メーカーの生乳施設に運ばれ一次加工しさらにミルクローリー車を釧路港からRO-RO船で首都圏にデイリー輸送されている。年間1700億円台の生産規模がある。なおこのときに国は「パイロットファーム」とよんだ。一般的にパイロットファームとは、観賞用植物や現地に自生する植物などを試験的に栽培、採取するための実験農場のことである。一連の事業には開墾事業、根釧機械開墾事業(狭義の本事業)、国営開拓パイロット事業、国営農地開発事業、国営草地開発事業、そして根室市・中標津町にも範囲を広げた新酪農村建設事業が含まれる。また、1989年には国営農地再編パイロット事業が行われている。
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