固体酸化物燃料電池(SOFC)における使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 06:14 UTC 版)
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δ-Bi2O3は主にイオン伝導体であるため、関心が集まっている。固体電解質の可能な用途を検討するときには、電気特性に加えて熱膨張特性は非常に重要である。熱膨張係数が高いことは加熱および冷却した時大きく寸法が変化することを意味し、これは電解質の性能を制限する。高温のδ-Bi2O3から中間体のβ-Bi2O3への変化は大きな体積変化を伴い、結果として材料の機械的特性が低下する。これをδ相の非常に狭い安定性範囲 (727 – 824 °C) と組み合わせることで、室温での安定化に関する研究につながった。 Bi2O3は、他の多くの金属酸化物と容易に固溶体を形成する。これらのドープ系は、ドーパントの種類、ドーパントの濃度、試料の熱履歴に依存する複雑な構造と特性を示す。最も広く研究されている系は、イットリア (Y2O3) を含む希土類金属酸化物Ln2O3を含む系である。希土類金属の陽イオンは一般的に非常に安定しており、互いに似た化学的性質を持ち、半径1.03 ÅのBi3+と大きさが近いためいずれも優れたドーパントとなる。さらに、それらのイオン半径はLa3+ (1.032 Å) からNd3+ (0.983 Å)、Gd3+ (0.938 Å)、Dy3+ (0.912 Å)、Er3+ (0.89 Å)、Lu3+ (0.861 Å) まで単調減少する(ランタノイド収縮として知られる)。このことはBi2O3相の安定性に対するドーパントの大きさの影響を研究するのに役立つ。 また、Bi2O3はSc2O3をドープしたジルコニア系で中間温度のSOFCの焼結助剤としても使用されている。
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