唐の四等官制
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唐律令官制では、長官・通判官・判官・主典の4等級による組織体系がとられ、このほかに事務の点検を行う検勾官がおかれていた。この四等官と検勾官の名称は、特に中央官庁においては統一されておらず、官庁ごとに異なる名称が採用されていたものの、地方官庁ではある程度の統一がなされていた。 唐令では、各四等官の職掌が次の通り定められていた。最下級(第四等官)の主典は、資料作成・整理や文書作成などの雑務のみに従事し、政務判断に参与することはなかった。第三等官の判官から決裁権限(これを「判」という)を有することになるが、複数の判官が分担で決裁(分判)を行い、第二等官の通判官へ上げる。通判官は上がってきた案件を通しで決裁(通判)し、最終的に長官が惣じて決裁(惣判)を行うこととされていた。この長官・通判官・判官による決裁システムを三判制という。 また、長官・通判官・判官のいずれもが正式な官人である「流内官」だったのに対し、主典のほとんどは「流外官」(庶民が登用される雑吏)であり、九品官には含まれない正式な官人ではなかったのである。このように判官以上と主典との間には身分上の大きな断絶がもうけられていた。 唐の四等官表 唐代における主な官庁の四等官表。 官府長官通判官判官(検勾官)主典尚書省(尚書令)(相国) 左僕射(丞相)右僕射(丞相) 左丞右丞 左司郎中・員外郎・都事右司郎中・員外郎・都事 主事・令史・書令史主事・令史・書令史 六部尚書 侍郎 郎中・員外郎 左司郎中・員外郎・都事右司郎中・員外郎・都事 主事・令史・書令史 門下省侍中 黄門侍郎 給事中 録事 主事・令史・書令史 中書省中書令 侍郎 舎人 主書 主事・令史・書令史 御史台御史大夫 中丞 御史 主簿・録事 令史・書令史 衛大将軍・将軍 長史 〜曹参軍事 録事参軍事・録事 府・史 都督府都督 別駕・長史・司馬 〜曹参軍事 録事参軍事・録事 府・史 州刺史(・牧) 別駕・長史・司馬 〜曹参軍事 録事参軍事・録事 佐・史 県県令 県丞 県尉 主簿・録事 佐・史
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