和平交渉と決裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 04:40 UTC 版)
敗北を喫したカルタゴは、イタリア半島のハンニバルを呼び戻して戦力を再編する一方で、ローマに休戦を打診した。スキピオは以下の条件を提案した。 ローマはカルタゴの独立・自治権を認める イタリアおよびアルプス以南のガリア地方にいるカルタゴ軍は全て撤退する カルタゴはスペインに持っている利権を完全に放棄する マシニッサのヌミディア王国を認め、その主権を尊重する 軍船は20隻を除き、ローマ側に引き渡す この講和の交渉中、カルタゴはアフリカにいるローマ軍の兵糧を負担する 賠償金7000タレントを支払う ローマ側では、元老院と市民集会がスキピオの条件を了承し、一時は休戦が結ばれるかと思われた。ところが、スキピオへ送られたローマの補給船団が嵐にあい、カルタゴから約40kmの海岸へ上陸したところを、カルタゴ海軍が拿捕するという事件が起こった。ローマは返還を要求したが、この事件とハンニバルの帰国で強気になったカルタゴは、上の条件を拒否し、和平交渉は決裂した。カルタゴはハドゥルメトゥムに上陸したハンニバルに、約50,000名の兵と80頭の戦象を派遣した。
※この「和平交渉と決裂」の解説は、「ザマの戦い」の解説の一部です。
「和平交渉と決裂」を含む「ザマの戦い」の記事については、「ザマの戦い」の概要を参照ください。
- 和平交渉と決裂のページへのリンク