周極星の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:00 UTC 版)
周極星は観測者が北半球か南半球か、また観測者のいる緯度によって決まる。天の北極または天の南極の高度は観測者の緯度に等しい。天の極からの角度が観測地点の緯度より小さければ、その星は全て周極星となる。例えば観測者の緯度が北緯45度の場合、天の北極から45度以内にある星が周極星になり、南緯35度で観測する場合は天の南極から35度以内の星が周極星になる。天の赤道上にある星は地球上のどの地点でも周極星になれない。 観測者の緯度とその星の赤緯δが判れば周極星かどうか判断できる。 北天の星の場合、(90° - δ) を計算する。 例えば おおぐま座α星の赤緯は+61°45′で、北緯28°15′より北の地点では周極星になる。 また南天の場合、(90° + δ) を計算する。 例えばケンタウルス座α星の赤緯は-60°50′で、南緯29°10′より南の観測点で周極星になる。 この計算結果は水平線上に現れるかどうかの判定にも使える。 おおぐま座α星は南緯28°15′ (δ - 90°を計算) より北の地点で計算上は空に見ることができる。同様にケンタウルス座α星は、北緯29°10′(δ + 90°) より南の地点で南の空に見られる。 天の北極に近い星座にある星、例えばカシオペヤ座、ケフェウス座、おおぐま座、こぐま座などは、だいたい北回帰線(北緯23.5度)から北では決して地平線に沈まない周極星である。 同様に、だいたい南回帰線(南緯23.5度)より南では、みなみじゅうじ座、はえ座、みずへび座などの南天にある星座の星々も周極星になる。 ある半球で周極星となる星や星座は反対の半球の高緯度地方では決して水平線より上に昇らず、いつも見られない。例えば南半球で周極星となるみなみじゅうじ座α星はアメリカ合衆国本土の多くの場所では見ることができない。同様に北半球で周極星となる北斗七星を形作る7つの星は南アメリカ大陸・パタゴニア地方のほとんどの地点では見ることが出来ない。 エクアドルの首都であるキトのような、地球の赤道付近にある場所では、周極星座は一つもなくなる。また、ノルウェーのように緯度の高い場所では、周極星座になる星座の数が増える。
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