吐とは?

と【吐】

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]はく

口からはき出す。「吐血吐瀉(としゃ)・吐露嘔吐(おうと)・音吐呑吐(どんと)」

難読反吐(へど)


たまい たまひ 【吐・欧吐・嘔吐】

〔名〕 胃の中のものをはくこと。また、そのはいたもの。へど。たぐり。おうと。

書紀720皇極四年六月岩崎平安中期訓)「子麻呂等、を以て送飯(いひす)く。恐り反吐(タマヒいた)す」〔十巻本和名抄(934頃)〕


はき【吐・嘔】

〔名〕 (動詞「はく(吐)」の連用形名詞化) はくこと。食べたものをはき出すこと。嘔吐(おうと)。


は・く【吐】

〔他カ五(四)

口の中の物を外へ出す。口中に含んだ物を勢いよく出す。

漢書楊雄天暦二年点(948)「群歴火を吐(ハキ)鞭を施す」

胃の中のものを外へ出す。もどす。〔十巻本和名抄(934頃)〕

③ ことばとして口から出す。しゃべる。語る。

江談抄1111頃)四「作者彌久愁、後代臨終常吐怨詞

日葡辞書(1603‐04)「クヮウゲンヲ faqu(ハク)」

④ 内に籠めたものを外に出す。

小学読本(1884)〈若林三郎〉三「黒煙吐き進航せり」


と‐・す【吐】

1 〔他サ変〕 はく。もどす。あげる。

病名彙解(1686)一「噎膈(いっかく)〈略〉噎は食胸の上、咽の奥につかゑて下らずむせび吐(ト)するを云り」

2 〔他サ四〕 (一)に同じ。

滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「物を食して吐(ト)すものを膈といふは」


たぐり【吐】

〔名〕 (動詞「たぐる(吐)」の連用形名詞化) 吐(は)くこと。また、吐いたもの。へど。

古事記(712)上「多具理邇(タグリニ)〈此の四字は音を用ゐる〉生れる神の名は」


たぐ・る【吐】

〔自ラ四〕

① 口からはく。反吐(へど)をつく。

書紀720神代上(兼方本訓)「口より吐(タクレル)物を以て敢へて我に養(か)ふ可(へ)けむ」

② 咳が出る。しわぶくまた、こみあげる

浄瑠璃嫗山姥(1712頃)二「お尋ねなくとも言ひたうて言ひたうて胸のたぐる折しも

物類称呼(1775)五「咳をせく関東にていふを、関西にて、せきをたぐるといふ」


ぬか・す【抜・吐】

〔他サ五(四)

① 力や勢いをなくす。

*虎明本狂言柿山伏室町末‐近世初)「はねもはへぬものをとばせて、こしをぬかひたほどに」

② ある場所か逃げ出させる。ぬけ出させる。

両足院本山谷抄(1500頃)七「世界むつかしいをくっとぬけたいぞ。蝉のぬけがら様にして此世界をぬかいてくれよぞ」

③ 入れるべきものを入れおとす。もらす。また、間を飛ばす。省略する。抜く。「一行ぬかして読む」

*絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「兎角爰をぬかしてならぬ括所じゃぞ」

取って自分のものにする。ぬきとる

洒落本色深睡夢(1826)下「えい道具みなぬかして、おまへとふたり夜舟で、ほいとこさやるわ」

(5) (吐) (口からもらすの意) 言う、しゃべるの意で、動作主をののしって用いる。言いやがる。

日葡辞書(1603‐04)「ナニヲ nucasuca(ヌカスカ)?」


つ・く【突・衝・撞・搗・舂・築・吐】

〔他カ五(四)

[一] (突・衝・撞

先の鋭い物で、勢いよく刺し通す

古事記(712)下・歌謡「大魚(おふを)よし (しび)都久(ツク)海人(あま)よ 其(し)が離(あ)れば うらこほしけむ 都久(ツク)志毘(しび)」

徒然草1331頃)一八三「人つく牛をば角を切り、人くふ馬をば耳を切りて、そのしるしとす」

② 腕や棒状の物などで強く押す。

万葉(8C後)一三・三二四二「吾が行く道の おきそ山 美濃の山 靡けと 人は踏めども かく寄れと 人は衝(つけ)ども」

*家(1910‐11)〈島崎藤村〉下「叔父三吉にも身元保証の判を捺(ツ)かせ」

③ (撞) 棒などの先端をうち当てて鳴らす。

源氏100114頃)末摘花かねつきてとぢめむことはさすがにてこたへま憂きぞかつはあやなき」

龍光院妙法蓮華経平安後期点(1050頃)「鐘を搥(ツイ)て四方告ぐらく」

細長い物を押し立ててささえとする。

万葉(8C後)三・四二〇「杖つきも 衝(つか)ずも行き夕占(ゆふけ)問ひ」

古今(905‐914)賀・三四八「ちはやぶる神やきりけんつくからに千年の坂も越えぬべら也〈遍昭〉」

(5) 頭、額、膝、手などを、地面や床に着ける。特に、ぬかずくうやうやしく拝む。

蜻蛉(974頃)下「かしらついて『これくはぬ人は、思ことならざるか』といふ」

俳諧曠野(1689)二「手をついて哥申あぐるかな〈宗鑑〉」

(6) 羽子板羽根やまりをつよく打つ。

仮名草子浮世物語(1665頃)二「しな玉をとり、手鞠をつく、みなこれ煉なり」

(7) (①②などの比喩的用法

(イ) 障害悪条件物ともせず進む。また、ものごと本質などに達する。

そめちがへ(1897)〈森鴎外〉「朝倉よりを衝(ツ)いての迎に、お客はと尋ぬれば

朝の悲しみ1969)〈清岡卓行〉一「もし、これらの解釈いずれか真実を衝いているとしたら」

(ロ) 心や感覚強く刺激する。

源おぢ(1897)〈国木田独歩〉下「怒とも悲とも恥とも将(は)た喜ともいひわけ難き情(こころ)胸を衝(ツ)きつ」

行人(1912‐13)〈夏目漱石〉帰ってから「一種厭ふべき空気匂ひ容赦なく自分の鼻を衝(ツ)いた」

(8) 将棋で、盤上にある歩を前に一つ進める。

浄瑠璃山崎与次兵衛寿の門松(1718)中「先飛車先の歩をつきませう」

(9) 突銭(つきぜに)をする。

雑俳寄太鼓(1701)「餠くふた盆に則ち銭をつく

(10)男子性器にたとえていう) 交接する。

咄本軽口あられ酒(1705)三「それ、いわん事かの。つねに若(わかい)しうにつかしゃんなとゆうに、つかしてとまった」

(11) 富突(とみつき)で当たりくじ番号決める。

滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)八「コリャ座摩の宮のじゃ。しかもけふつく日じゃわいな」

[二] (搗・舂) きねなどの先で強く打っておしつぶしたり、穀物のからなどを除いたり、精白したりする。

古事記(712)上・歌謡「山県に 蒔きし 藍蓼(あたて)都岐(ツキ) 染木が 汁に 染衣を」

万葉(8C後)一四・三四五九「稲都気(ツケ)ばかかる我が手を今夜(こよひ)もか殿の若子(わくこ)が取りて歎かむ」

[三] (築) 土や石を積み重ね固めてつくる。きずく。

古事記(712)下・歌謡「御諸に 都久(ツク)や玉垣 斎(つ)き余し 誰にかも寄らむ 神の宮人

古本説話集(1130頃か)六〇「やまをつき、いけをほりて」

[四] (吐)

① 細い所か急に強く出す。息をはく。嘔吐する。また、排泄する

*竹取(9C末‐10C初)「かくたのもしげなく申ぞとあをへどをつきての給ふ

古活字本荘子抄(1620頃)六「大息をつきて歎息す」

好ましくないことを口にする。言う。

日葡辞書(1603‐04)「ウソヲ tçuqu(ツク)」

浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「『ばか』顔に似合はぬ悪体を吐(ツ)きながら」


読み方:はいた

  1. 自白した。〔掏摸
  2. 自白すること。

分類 掏摸


読み方:はく

  1. 一度窃取した物品被害者に返へすこと。或は白状すること。
  2. 麦飯音読省略語。〔闇〕 ②博徒賭博)。省略語。〔博〕 ③捕縛。右同(※⑵参照)。〔盗〕
  3. 酷暑。②犯行使用した刃物類。③凡て物事のよい意味に用いられる。「はくい」の略。④一応窃取した物品被害者返すこと。⑤自白すること。

分類 闇/博/盗/犯罪


読み方:はく

  1. 取リ得タル物品其侭戻スコトヲ云フ。〔第一類 言語及ヒ動作之部・東京府
  2. 所持隠匿セル贓物警察官吏ニ提出シ、又ハ故買者ガ無償ニテ被害者ニ対シ贓物返還ヲナスヲ云フ。〔第四類 言語動作

分類 東京府

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/25 11:06 UTC 版)

発音(?)


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