名前空間とオブジェクト指向な型システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 23:38 UTC 版)
「C Sharp」の記事における「名前空間とオブジェクト指向な型システム」の解説
グローバル変数やグローバルメソッドは存在しない。すべてのフィールドとメソッドはクラスあるいは構造体の一部として宣言されなければならない。 例えばC/C++のprintf()関数のように名前空間レベルに存在するフリー関数を定義することはできない。ほとんどの場合クラスおよび構造体は名前の衝突を避けるために名前空間に所属する。 名前空間は階層構造をもつ。つまり、名前空間は他の名前空間の中に宣言することができる。 組み込みの値型を含めたすべての型は、objectクラス (System.Object) の派生型である。つまりobjectクラスのもつすべてのプロパティやメソッドを継承する。例えば、すべての型はToString()メソッドをもつ。 クラス (class) は参照型であり、構造体 (struct) および列挙型 (enum) は値型である。構造体はクラスよりも軽量で、C/C++との相互運用性に優れるが、派生型を定義することができない。 クラスおよび構造体は複数のインターフェイスを実装することができるが、多重継承はサポートされない。 C#はC++に比べて型安全である。既定の暗黙変換は、整数の範囲を広げる変換や、派生クラスから基底クラスへの変換といった、安全な変換のみに限定される。これは、コンパイル時、JITコンパイル時、そして一部の動的なケースでは実行時に強制される。ブール型と整数型、列挙型と整数型、の間は暗黙変換はできない。暗黙変換をユーザー定義する際は、明示的にそのように指定しなければならない。これはC++のコンストラクタとは違った仕様である。 列挙型のメンバーは、列挙型のスコープの中に置かれる。また、列挙型の定数名を取得することができる。さらに、列挙型の定数名から動的に定数値を得ることができる。 アクセサの定義と利用を簡略化するためにプロパティ構文を利用できる。C++およびJavaにおけるカプセル化では、通例getter/setterアクセサとなるメンバー関数あるいはメソッドを定義して利用するが、C#ではプロパティ機能により、カプセル化を維持しつつ、あたかもフィールドを直接読み書きするような直感的な構文でオブジェクトの状態にアクセスすることができる。プロパティによってメンバーのアクセス制御やデータの正当性チェックを実行することができる。なお、イベントハンドラーに利用するデリゲートのカプセル化にはイベント構文 (event) が用意されている。
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