同期式サウンドトラック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 21:40 UTC 版)
「サウンドトラック」の記事における「同期式サウンドトラック」の解説
映画の上映に合わせレコードの音声を再生するレコード・トーキーという仕組みは、フィルム上にはサウンドトラックは無く、映像として人間が認識できる合図と共にレコードを再生し同期させていた。 フィルム上に設けられたサウンドトラックの音質は、光学式・磁気式を問わず、あまり良いものではなかった。また、マルチチャンネル化もせいぜいステレオ(2.0ch)が限界である。フィルム上に置かれるサウンドトラックは、後の高音質化の欲求に応えられるものではなかった。 そのため、高音質を求める場合には、「フィルム上にはサウンドトラックを設けず、他に音声媒体を設ける」という方法が開発された。最初は映写機とシンクロした別途用意された磁気テープなどから同期再生するという方法が採用され、70mm映画などではマルチチャンネルの磁気テープが標準化された。また、テレビ局でシネテープと呼ばれるフィルムと同じ形状の磁気テープを同期再生する事があった(シネテープは、送り穴があけられており、フィルムとの機械的同期を取ることができた。また、磁気テープであったため、テープレコーダーと同様に容易に録音・再生・編集ができた)。 その後更にサウンドトラックは発展した。音質面では、CD-ROMに記録された高音質の音源を同期するものも登場し、ドルビーデジタルやSDDSなどのデジタル音響システムを採用するものが多くなっている。また同期システムも、シネテープなどの機械的同期はすたれ、SMPTEなどの電子的同期システムが導入されている。すでに「フィルム上のサウンド用のトラック(帯)」という意味は薄れており、サウンドトラックという言葉は「映像とシンクロする音」全般を指すものに転化している。
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