各群の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 16:23 UTC 版)
もはや存在しない分類群ではあるが、全体を見渡す意味はあると思われるので、簡単に記しておく。 鞭毛虫綱:鞭毛を持って運動する真核の単細胞生物ほとんどすべてを含む群であった。そのうちで光合成可能なものを植物性鞭毛虫、そうでないものを動物性鞭毛虫と呼んでいた。植物性鞭毛虫:緑藻類・渦鞭毛藻類・ミドリムシ類・黄金色藻類ほか。これらは、藻類としても分類上の位置を与えられていたので、プランクトン図鑑などでは動物の部と植物の部の両方に顔を出す場合もあった。当時から、植物としてはそれぞれ別の門に所属させられていた。 動物性鞭毛虫:襟鞭毛虫・超鞭毛虫・トリコモナス類・トリパノソーマ類など。これらも、現在では多系統と考えられている。襟鞭毛虫は動物と系統的に最も近いものとされる。 肉質虫綱(根足虫とも):細胞の一部を原形質流動によって動かし、足のように使う運動をするグループである。偽足の形に葉状、糸状、針状、網目状などの違いがあり、それらは細胞内骨格の違いなどに基づく。全くの裸の細胞体であるアメーバのほか、殻を持つ有殻アメーバや有孔虫、針状の骨格を持つ太陽虫や放散虫など、様々なものを含み、粘菌をここに所属させたこともある。現在ではこの仲間は鞭毛虫以上に、多系統のものが複雑に入り交じった状態と見られているらしい。 胞子虫綱:細胞内寄生をする単細胞生物で、胞子様の散布体を作る時期がある。現在ではこの中でアピコンプレクサ(マラリア原虫など)が渦鞭毛藻類、繊毛虫類と近縁であること、微胞子虫類は菌類、多分接合菌門のトリコミセス類から派生したものであるらしいこと、粘液胞子虫に至っては、どうやら多細胞動物が細胞内寄生によって体制を退化させたものらしいことなどが分かり、実に興味深い寄せ集めであったことが判明している。 繊毛虫綱:現在も認められている分類群である。 ティンティノプシス:先史時代(何年前かは不明)から現代まで生息している種。化石も発掘されている。
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