各腺の位置と役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 15:28 UTC 版)
「視床下部-下垂体-性腺軸」の記事における「各腺の位置と役割」の解説
視床下部は脳内にあり、GnRHを分泌する。GnRHは下垂体門脈系を経由して下垂体の前部を伝い、下垂体前葉の分泌細胞の受容体に結合する。GnRHの刺激に反応して、これらの細胞は黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)を産生し血中に放出する。 この2つのホルモンは、生殖腺への伝達に重要な役割を果たしている。女性の場合、FSHとLHは主に卵巣を活性化してエストロゲンとインヒビンを産生させ、月経周期と卵巣周期(英語版)を調節する。エストロゲンは視床下部でのGnRHの産生を抑制することでネガティブフィードバック機構を形成する。インヒビンは、GnRH産生細胞を正に刺激する末梢性の産生ホルモンであるアクチビンを抑制する作用がある。全身の組織でも産生されるフォリスタチン(英語版)はアクチビンを抑制し、体の他の部位から軸を制御出来るようにする。男性の場合、LHが精巣の間質細胞を刺激しテストステロンを産生させる一方、FSHは精子形成に関与し、エストロゲンは少量しか分泌されない。最近の研究では、大脳皮質が視床下部のGnRH産生を調節するための神経ステロイド軸の存在が明らかになってきた。 また、レプチンとインスリンは視床下部からのGnRH分泌を刺激し、グレリンは分泌を抑制する。キスペプチン(英語版)もGnRHの分泌に影響を与える。
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