各国独自の面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 13:32 UTC 版)
ユーロ硬貨の片面は国ごとで異なっており発行国は自由にデザインを決めることができるが、いずれのデザインの硬貨であってもユーロ圏内全域において使用可能である。8つの金種すべてが同じデザインであったり、あるいは異なるデザインであったりする。また君主制国家では君主の肖像を入れており、なかにはベルギーの硬貨のように旧通貨と同じデザインを使用しているところもある。共和制国家ではその国を象徴する建造物やシンボル、あるいはフランスの硬貨のように、それらを図案化したデザインが用いられている。また2ユーロ硬貨の縁の模様もそれぞれの国で決めている。 各国独自の面のデザインについては、12個の星、造幣所を示す文字、発行年を必ず含めるという規定がある。また当初は規定に含まれていなかったが、新たに発行する場合には発行国名も入れなければならない。さらに各国独自の面には、ギリシャの硬貨などのようにラテンアルファベット以外の文字を使用する場合を除いて、硬貨の額面や euro の文字を入れてはならない。この各国独自の面のデザインは2008年末まで、硬貨に描かれた君主が死去または退位した場合を除いて変更することが認められていなかった。また2004年からは各国が独自に2ユーロ記念硬貨を、数量を制限して発行している。 各国がユーロ硬貨の片面のデザインをそれぞれ独自に決めていることについて、廃止しようとする具体的な動きはない。しかしながら欧州委員会は経費削減のために1, 2, 5セント硬貨の各国独自の面のデザインを共通にすることを提案したことがある。また2007年にはすべてのユーロ圏諸国がほぼ同じデザインでローマ条約調印50周年の記念硬貨を発行した。この記念硬貨は国名と言語が違う点を除いては同じデザインが用いられた。 欧州連合に加盟していないにもかかわらず、モナコ、サンマリノ、バチカン、アンドラのユーロ硬貨の片面も独自のデザインを採用して発行しているが、この4か国の硬貨はあまり市中に出回っておらず、その珍重さからコイン収集家の興味をおおいにひきつけている。特にモナコのユーロ硬貨については非常に高価で取引されている。5ユーロ硬貨も発行されている。
※この「各国独自の面」の解説は、「ユーロ硬貨」の解説の一部です。
「各国独自の面」を含む「ユーロ硬貨」の記事については、「ユーロ硬貨」の概要を参照ください。
- 各国独自の面のページへのリンク