叺とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 道具 > > の意味・解説 

かま‐す【×叺】

読み方:かます

《「簀(かます)」の意。古くガマ作ったわらむしろ二つ折りにし、縁を縫いとじた袋。穀類・塩・石炭肥料など貯蔵運搬用いる。かまけ。

刻みタバコなどを入れ1の形の袋。

[補説] 「叺」は国字


読み方:カマス(kamasu)

簀の意。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 22:51 UTC 版)

(かます)は、の一種。(わらむしろ)を二つに半折し、両端を縄で閉じて封筒状にした容器である[1]肥料石炭穀物などを入れる。「かます」は蒲簀の意。なお「叺」は国字である。

概要

古くは『日本書紀』孝徳紀大化5年3月の条に見える。江戸時代、関西で綿花などの商品作物が盛んに栽培されるようになると、金肥(貨幣で購入する肥料)を使い商品作物の大規模生産が行われるようになった。この金肥は、蝦夷地北海道)で大量に獲れるなどから魚油を採った残りかすを原料として、叺に入れ北前船などで大消費地に運ばれた。

司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』では、江戸時代後期の商人・高田屋嘉兵衛が北前航路の往路でムシロを買い、関西へ持ち帰る金肥としての、干鰯鰊粕を現地生産して叺に袋詰めする様子が描写されている。

目が細かいため塩の輸送に最適な容器とされた[1]

また、米の輸送にも使用された[2]は円筒状で上下に蓋(桟俵)を付けて密封しなければならないが、叺は一端を閉じれば密封できる利点があった[1]。米の輸送は米俵や叺から麻袋などへ変遷していった[2]。戦後、麻袋が普及するようになると、麻を原料とする二つ折り両端ミシン縫いの袋も「叺」と呼ばれるようになった。ミシン縫いが可能になると、この形状の麻袋が大量生産されるようになった。紙封筒なども、同様な形状のものを「叺」と呼ばれることもある。

なお、魚のイカナゴの別名「かますご」は、一説に関西では叺にいれて売ったからその名があるという。

東北地方で食べられているかますもちは、形がこの袋に似ていることからそう呼ばれている。[3]

名称

朝鮮語では、「가마니」(カマニ)という。これは日本語から「かます」が借用され、更に東南方言で音韻変化の結果である。

脚注

  1. ^ a b c 後藤重巳「年貢の輸送と俵装 : 藁加工実習に関連して」『博物館研究報告』第8巻、別府大学博物館学講座、1984年2月、1-6頁、CRID 10505642877982563842023年8月24日閲覧 
  2. ^ a b さとのかぜ No.185”. 千葉県いすみ環境と文化のさと. 2022年10月26日閲覧。
  3. ^ 食の匠 かますもち”. 2022年5月5日閲覧。

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2021/07/06 07:52 UTC 版)

発音(?)


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.



叺と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「叺」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||


5
叺子 デジタル大辞泉
76% |||||

6
58% |||||

7
58% |||||

8
58% |||||

9
58% |||||


叺のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



叺のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの叺 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS