司法的役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 02:40 UTC 版)
「高等法院 (フランス)」の記事における「司法的役割」の解説
高等法院は民事、刑事、行政の裁判権限を有し、終審裁判所となるが、他の行政諸院(会計法院、租税法院、貨幣法院)の管轄事件については上告が可能になっている。 最高責任者は国王の親任状をもって任命される法院長で、組織は大審議部、調査部、申請部から成っているが、地方高等法院によって部局の数や構成は異なる。 法院の司法官になるには弁護士の資格を取得して、売官制を通じて国王から官職を購入する。官職はポーレット税を国王に支払うことによって世襲が可能であり、新興ブルジョワ階層から新たな貴族が生まれ、彼らは中世以来の帯剣貴族(英語版)に対して法服貴族と呼ばれた。 民事裁判では訴訟当事者たちは司法官にエピスを支払わねばならない。このため、裕福な者や縁故がある者以外の平民にとって民事裁判は縁遠いものだった。 刑事裁判の手続きは著しく古風なものだった。司法官は自白や共犯者の名前を引き出すために容疑者の拷問を命じることができ、通常の拷問である「通常尋問」とより残忍な「特別尋問」が存在した。容疑者が貧しい単なる平民の場合は、無罪の推定の概念はほとんどなかった。単なる窃盗を含む様々な犯罪に対して死刑が宣告でき、これは犯罪の種類と被害者の社会階層によった。処刑は貴族には斬首刑、平民には絞首刑が行われ、平民による凶悪犯罪には車裂きの刑、異端と無神論の擁護には火刑が執行された。王殺しの様な犯罪には、より残忍な処刑方法が執行される。 司法官による拷問や残忍な方法の処刑は1788年にルイ16世によって廃止されている。
※この「司法的役割」の解説は、「高等法院 (フランス)」の解説の一部です。
「司法的役割」を含む「高等法院 (フランス)」の記事については、「高等法院 (フランス)」の概要を参照ください。
- 司法的役割のページへのリンク