史上最悪のハイジャック事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:32 UTC 版)
「ハイジャック」の記事における「史上最悪のハイジャック事件」の解説
1970年代には390件に達したハイジャックの発生件数は、1980年代に284件、1990年代には263件と減少傾向を示していた。 1990年代になると、組織的で大規模なテロ活動の背後にある資金源を断つ必要性が認識されるようになった。既存の条約では資金供与について明示的に扱われていないことを踏まえ、1999年、国連においてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約が採択された。この条約では、テロ行為の準備行為となる資金提供や収集自体を犯罪と定め、そうした行為を行なった者を訴追や処罰することでテロ行為を防止することを狙いとした。当初、この条約に対して署名や批准を行うことに消極的な国が少なくなかった。しかし、2001年に9.11事件が発生し、ウサーマ・ビン・ラーディンが事件の実行犯たちへ資金提供を行なっていた疑いが強まり、テロ活動の資金源に対する関心が高まった。 2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件(9.11事件)は、史上最大の犠牲者を出したハイジャック事件となった。テロリストがアメリカで4機の旅客機を乗っ取り自爆攻撃を行なった事件である。 アメリカン航空11便とユナイテッド航空175便は、ハイジャックされてワールドトレードセンターのノースタワーとサウスタワーにそれぞれ突入した。航空機の衝突後にタワーは相次いで崩壊し、両機の搭乗者全員と地上で巻き込まれた犠牲者を合わせて約3,000人が死亡した。同じ頃ハイジャックされたアメリカン航空77便は、アメリカ国防総省のペンタゴンに突入した。衝突により爆発炎上し、搭乗者64人全員と地上の125人が死亡した。ユナイテッド航空93便も同様にハイジャックされ、機体の操縦を奪われたが、乗客たちの抵抗により犯人の意図した目標へ到達する前に墜落した。同便では、搭乗者44人全員が死亡した。
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