可搬消防ポンプ積載車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 08:18 UTC 版)
「日本の消防車」の記事における「可搬消防ポンプ積載車」の解説
可搬消防ポンプ積載車 は 通常「 積載車 」と呼ばれ、単に「自動車」といえば、「消防ポンプ自動車」のほうを指すことが多い。大多数の市町村では、この可搬消防ポンプ積載車と消防ポンプ自動車が 消防団の主力装備となっており、消防本部が有する 全ての消防車の数よりも 台数が多い。 一般的には 3トン級の車両が多いが、活動する地域の道路幅などの地理的条件を考慮して、小回りが利く軽トラックやワゴン車を改造したタイプの車両などもある。後述の消防ポンプ自動車と装備にほとんど差はなく、ホース、吸管(きゅうかん)、小型の3連はしご、ホースカー(一部のみ)等を装備しており、消火栓や防火水槽に吸管を入れ、ポンプで水を吸い上げ、ホースから放水する。消防ポンプ自動車と異なる点としては、後部の荷台に積載した可搬消防ポンプという、車のエンジンとは別の独立した動力機を持つ可搬式の消防ポンプによって放水する点である。したがって、積載車の「自動車部分」は ポンプ等の輸送手段という見方もできる。「消防ポンプ自動車」は、自動車のエンジンで消防ポンプを動かしているため放水量も多いが、火災現場で消防ポンプの取り外しや移動など小回りが効かない。「可搬消防ポンプ積載車」は、現場でのポンプの取り外しや移動などの機動的運用が可能で、漁港に近い沿海部の消防団では、団員の漁船などに搭載して、船舶火災などにも対応可能な消防艇として運用する事もできる 。 近年ではオールシャッターや跳ね上げドアなどで、ホースや吸管、可搬消防ポンプ以外にも発電機やエンジンカッターなどの救助資機材を積載して様々災害に対応できるようにした多機能型積載車の導入も進んでいる。これらは、総務省消防庁からの無償貸与車両であったり、宝くじ財団からの寄贈車であったり、各地の消防団の独自購入であったりと、車両により様々である。 乗員が4人乗りから9人乗りのもの、赤色回転灯やサイレンの数や形が異なるもの、後部の荷台部分に幌(ほろ)が付いているものなど、いろいろなバリエーションがある。 一部の大学の自衛消防隊が独自に所有し、学生団員が運用している消防車も、この可搬消防ポンプ積載車である。 可搬消防ポンプ積載車(館林消防団・更新済廃車) 可搬消防ポンプ積載車(宇城市消防団) 可搬消防ポンプ積載車(熊本市消防団) 3列目の座席があるタイプのポンプ積載車(宇城市消防団) 後部に幌がついているタイプのポンプ積載車(熊本市消防団) 同じ消防団でも分団によって赤色灯の形が異なる例(嘉島町消防団) ミニ消防車(城東消防団) ポンプ積載車の屋根に 校区名が対空表示されている例(熊本市消防団) 可搬消防ポンプ積載車 (廃車)(四街道市消防団)
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