古代オリエント美術部門
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「ルーヴル美術館」の記事における「古代オリエント美術部門」の解説
古代オリエント美術部門は、1881年に創設された二番目に新しい部局で、イスラム教普及前の古代オリエント文明の美術品が収蔵されている。古代オリエント美術部門は、ユーフラテス川西側地域(キプロス、レヴァント、アナトリア半島、アラビア半島、北アフリカ)、古代メソポタミア、ペルシアの三地域別に細分化されている。古代オリエント美術のコレクションが充実したのは、フランス人学者ポール=エミール・ボッタによる、1843年のドゥル・シャルキン発掘調査、アッシリア王サルゴン2世の王宮発見とほぼ同時期に当たる。この遺跡からの出土品が、古代オリエント美術部門の前身である「アッシリア美術館」の基礎となった。 古代オリエント美術部門では、初期メソポタミア文明ともいわれるシュメール文明の美術品と、アッカド帝国の出土品であるラガシュ王国王子の碑文『禿げ鷹の碑 (en:Stele of the Vultures)』(紀元前2,450年頃)、アッカド王ナラム・シンの戦勝記念碑などが展示されている。1901年に発見された、高さ2.25メートルの閃緑岩に古代バビロニアの「ハンムラビ法典」が楔形文字で刻まれた石碑も有名である。紀元前18世紀のマリ王国王宮壁画 (en:Investiture of Zimri-Lim) や、紀元前25世紀の『エビフ・イルの像』も、この古代オリエント美術部門の展示室で公開されている。 古代ペルシアの所蔵品では、『射手のフリーズ』などが有名である。ペルセポリスからの貴重な出土品も所蔵されており、2005年にイギリスで開かれた古代ペルシア展で公開するために、大英博物館に貸し出されたこともある。 『禿げ鷹の碑』、ラガシュ王国、紀元前2660年 - 2330年ごろ 『代官エビフ・イル像』、アラバスター製、マリ王国、紀元前2500年ごろ ナラム・シンの戦勝碑、アッカド時代、紀元前2254年 - 2218年 アイベックスの角でできた角杯、古代ペルシア、紀元前600年 - 300年
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