収穫量と収穫期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/18 14:42 UTC 版)
他の品種と同様、シュナン・ブランのワインの品質は、ブドウ栽培時の手の掛け方に密接に関係している。収穫時期が早すぎてブドウが十分に熟していないと、酸が多すぎるためワインは「最も不快なワイン」(ワイン専門家、オズ・クラークの評)になってしまう。収量が多すぎると、シュナン・ブランらしい個性の無いワインになる。ロワール地方では、フランスの法規制により収量は40~50 hl/haに抑えられている。このくらいの収量であれば、シュナン・ブランの特徴であるフローラルな香りや蜂蜜の香りが感じられる。カリフォルニアのセントラル・ヴァレーでは、平均1エーカーあたり10トン(175 hl/ha)もの高収量であるが、このような場合は香りは穏やかではっきりしないものになる。この品種は元来樹勢が強く、管理しないと収量が過剰になる傾向がある。南アフリカの一部地域のような肥沃な土地においては、240hl/haもの収量に容易に達してしまう。そのため、収量を抑えるために、ヴィティス・リペリア種やヴィティス・ルペストリス種の樹勢の弱い台木に接ぎ木することも行われる。過剰な果房を取り除くグリーン・ハーベストも採用されることがある。 醸造に適した酸と糖分のバランスになるような最良の熟度で収穫を行うために、ブドウを順次収穫していくことも多くの生産者が実施しており、特にロワールで顕著である。この場合、4~6週間にわたってブドウ畑を3~6回ほど回り、熟したブドウの果房ないしは果粒だけを手摘みで収穫していくことになる。貴腐ワインの生産の場合は、十分な量の貴腐化したブドウがなくてはならない。気温が高すぎたり、乾燥しすぎているなどの理由で貴腐ブドウが生じなかった年は、ブドウが干からびたような状態になるまで木に生ったままにしておくパスリヤージュと呼ばれる手法を用いる。これにより、貴腐と同様に果汁が濃縮される効果がある。伝統的な産地においては、生産者はシュナン・ブランからどのようなスタイルのワインを作るか、甘口と辛口のどちらを作るか、さらには複数のタイプのワインを作るならどのブドウからどんなワインを作るかを日々の状況を見ながら決めていく。ヴーヴレの生産者の例では、1シーズンの収穫回数は6回に上るが、前半の収穫分ではスパークリングワインや辛口ワインを生産し、後半は甘口ワインの生産に使われるという。
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