反乱の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 02:40 UTC 版)
問題とは時に被支配層へのある種の弾圧であったり、貧困が原因の食糧不足であったり、非政治的で、比較的原始的なものである。こうした一時的あるいは慢性的な問題を、被支配層が選挙やデモ、請願などの平和的主張によって訴えることができ、支配者がその訴えを受け止める国家ならば、反乱は発生しづらい。あるいは、支配者が有能であり、被支配層の生活を考慮して善政を行う場合も、反乱が起きる可能性は低いと言える。 逆に、被支配層から支配者への訴えを権利として認めない国家、訴えを弾圧する国家、あるいは平和的手段によって訴える事はできるが、支配者が常にそれを黙殺するような状態の国家、深刻すぎて平和的に訴える次元を過ぎたような問題のある国家では、反乱の可能性は高まる。 歴史的に、選挙・請願・デモなどの平和的主張が被支配層の「権利」として認められるのは、民主政が定着し始めた19世紀から20世紀を待たねばならず、それ以前の帝政・王政が主流の世界では、被支配層には支配者を批判したり、不満を表明する手段がなく、またその権利を自覚していなかったため、幸運が有能な支配者をもたらさない限り、被支配層は支配者に対する不満を蓄積し続け、結果として反乱を起こす可能性が非常に高い時代だったと言えるだろう。 「反乱」と類義・近似の言葉は、日本語にも英語にも数多くあるので「反乱とは何か」を考えるとき、その境界を見つけるのが多少難しい。英語では、反乱を大きく rebellion とし、民衆が非武装なら nonviolent resistance(市民的不服従)、武装していれば uprising と呼ぶ。
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