双子素数に関する諸結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 18:00 UTC 版)
(3, 5) を除く全ての双子素数は (6n − 1, 6n + 1)(n は特定の自然数)の形であり、これは(3, 5) を除く双子素数同士の和が、常に12の倍数であることを意味する。 最初の2組を除き、双子素数の一の位は(十進法で)(1, 3), (7, 9), (9, 1) のいずれかである。 x より小さな双子素数の個数は高々 O ( x / ( log x ) 2 ) {\displaystyle O\left(x/(\log x)^{2}\right)} である。したがって、p と p + 2 がともに素数の場合、次式は収束する (Brun, 1919)。 B 2 = ∑ p ( 1 p + 1 p + 2 ) {\displaystyle B_{2}=\sum _{p}\left({\frac {1}{p}}+{\frac {1}{p+2}}\right)} (双子素数の逆数和) この値 (1.90強) をブルン定数と呼ぶ。素数の逆数和は発散するので、素数の中で双子素数は、さほど多くはないといえる。また、すべての偶数は、高々9個の素数の積で表される2つの整数の差として無限通りに表すことができることもヴィーゴ・ブルンは示している (Brun, 1920)。これらの結果は篩法によるものであり、篩法の最初の本格的な成果である。それと同時に、双子素数に関する最初の理論的な結果であり、双子素数に関する研究の出発点となった。 ブルン定数 B2 の2005年時点での最も正確な値は、B2 = 1.902160583104… である。この値は、1016 までに現れる双子素数を使用して求められた (Sebah, 2002)。なお、1994年にブルン定数を計算する過程で P54C Pentium の浮動小数点演算命令にバグが存在することが発見され、話題となった(詳しくはPentiumを参照)。 陳景潤 (Chen Jing Run) は、p + 2 が高々2個の素数の積となるような素数 p が無数に存在することを示している (Chen, 1966)。 p + 2 が高々2個の素数の積となるような素数 p を陳素数と定義したとき、無限個の陳素数の3項等差数列が存在する(Ben Green, テレンス・タオ, 2005)。 (n, n + 2) が双子素数であるための必要十分条件は、4{(n − 1)! + 1} + n ≡ 0 (mod n(n + 2)) である (Clement, 1949)。 2005年、D. Goldston-J. Pintz-C. Yildirim によって次式が証明された。 lim inf n → ∞ p n + 1 − p n log p n = 0. {\displaystyle \liminf _{n\to \infty }{\frac {p_{n+1}-p_{n}}{\log p_{n}}}=0.}
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