原生代初期の地表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/22 02:08 UTC 版)
27億年前に非常に活発な火山活動があり、陸地が大幅に増えた。増えた大陸の周辺の浅い海に、光合成をおこなうシアノバクテリアの集合体であるストロマトライトが大規模に形成された。ストロマトライトから放出された酸素は海中に拡散し、当時の海中に大量に溶解していた2価の鉄イオンを酸化して沈殿させ縞状鉄鉱床を生成した。縞状鉄鉱床の生成のピークは27億年前から19億年前までであった。 太古代の大気には酸素はほとんどなく、大量の二酸化炭素と窒素が大気の成分であった。原生代に入ってストロマトライトの活動で酸素が生成され始めたが、浅海に2価の鉄が十分ある間は酸素が直ちに消費されるため、大気中の酸素濃度は非常に低いレベルのままであった。しかし22億年前頃から大気に酸素が含まれていたことを示す「赤色土壌」や「赤色砂岩」が出現するようになった。その後大気中の酸素の比率は徐々に増えてゆく。22-23億年前に地球は寒冷化し何回かの氷河時代を迎えたが、最も寒冷化したヒューロニアン氷期には赤道近くまで氷結し、スノーボールアースとなった可能性があるとされる。寒冷化の原因は大気中の二酸化炭素濃度が下がって温室効果が減ったためと推定される。二酸化炭素濃度減少の原因は、大陸の拡大によって岩石の風化量が増え風化岩石中の金属元素が空中の二酸化炭素を消費したと考えられるが、さらに風化した塩類が海に入って大量の栄養塩類となり生物活動(光合成)を活発化させ、二酸化炭素を消費したことも考えられる。
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