南海トラフにおける震源域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:55 UTC 版)
「東南海地震」の記事における「南海トラフにおける震源域」の解説
南海トラフ沿いの地震の震源域は5個のセグメントA(土佐湾沖)、B(紀伊水道沖)、C(熊野灘沖)、D(遠州灘沖)、E(駿河湾沖)に分けられ、それぞれにアスペリティが存在するとされる。さらに紀伊半島沖で東西の領域に二分され、西側は南海地震震源域(A, B)、東側は紀伊半島沖から浜名湖沖にかけての東南海地震震源域(C, D)、浜名湖沖から駿河湾にかけての東海地震震源域(E)に分けられる。なお、南海トラフのE領域部分については駿河トラフとも呼称される。 これまでの歴史地震の記録から、全ての領域(A, B, C, D, E)でほぼ同時または短い間隔で地震が発生する東海・東南海・南海地震(南海トラフ巨大地震)と考えられているケースが複数回ある。また、紀伊半島沖より東側の領域に限れば、東海地震の震源域まで延長される東海・東南海連動地震(C, D, E)の場合と、断層の破壊が浜名湖沖までにとどまったとされる東南海地震(C, D)の場合があった。すなわち東海地震単独発生の例は確かなものがなく、これまでの記録で東海地震とされてきたものは東南海地震を伴っていると考えられている。このため、東海・東南海の区分(E領域のみを単独の「東海地震」として扱うこと)については不明瞭な部分もある。プレート境界と共に動く分岐断層は地震の毎に異なるため、繰り返し発生している地震であるが、年代毎に異なった個性を持っている。 2011年12月に発表された中央防災会議の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」の中間とりまとめでは、南海トラフ沿いで起きると想定される巨大地震の最大規模として、震源域が従来のほぼ2倍に拡大され、暫定値としてMw9.0が示された。
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