南極の生態への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 15:27 UTC 版)
2001年1月29日に、シカゴ大学とウィスコンシン大学の研究者が、B-15Aに気象観測およびGPSシステム機器を設置した。氷山の監視をこのような方法で行うのは初めての試みだった。収集されたデータは、巨大な氷山が南極およびそれ以降の海域をどのように通過するかについて前例のない理解をもたらした。 B-15Aは、2005年4月10日にドリガルスキー氷舌と衝突し、氷舌先端の8平方キロメートル(3.1平方マイル)の部分を破壊した。これにより南極地図を再描画する必要がある。 B-15Aにより海流と風が影響を受け、2004年から2005年にかけてのマクマード湾の夏季砕氷作業を支障したため、3つあるの研究ステーション(基地)への毎年の補給船運航の障害となった。流氷は、親ペンギンが海からヒナの許に戻るまでの距離がかなり長くなるため、アデリーペンギンの個体数を壊滅的に減少させると予想された。ウェッデルアザラシとトウゾクカモメもマクマード湾に生息しており、それらの個体群も同様に影響を受けた可能性がある。 2006年10月、ある研究により、アラスカ湾に大きな嵐が発生すると海のうねりが生成され、これが太平洋を横断してB15Aに到達したことが、2005年10月27日に起こったB15-Aの分裂に関与した可能性があることが示された。うねりはアラスカから南極大陸まで6日間で13,500キロメートル(8,400マイル)移動するという。科学者はこの出来事を、ある地域の天気が世界の他の地域にどのように影響し、地球温暖化への影響を懸念する例として研究している。 しかし、2010年のより詳細な研究では、氷山の崩壊は主にビクトリアランドのアデア岬近くの沿岸海底地形への繰り返しの触礁・座礁によって引き起こされたことが示された。
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