北豊津信号場とは? わかりやすく解説

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北豊津信号場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 14:07 UTC 版)

北豊津信号場
待合室(北豊津駅時代、2009年9月)
きたとよつ
Kita‐Toyotsu
H51 黒岩 (3.8 km)
(4.6 km) 国縫 H49
所在地 北海道山越郡長万部町字豊津
駅番号H50
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 函館本線
キロ程 98.2 km(函館起点)
電報略号 ヨツ
駅構造 信号場
ホーム 2面2線[1]
開業年月日 1944年昭和19年)7月1日
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北豊津信号場(きたとよつしんごうじょう)は、北海道山越郡長万部町字豊津にある北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線信号場電報略号ヨツ[2]事務管理コードは▲140126[3]。旅客扱い末期の駅番号H50

歴史

太平洋戦争に伴う戦時輸送力強化の一環で設置された信号場である[2]

当地には太平洋戦争終戦以前は陸軍軍馬補充部豊津種馬所が所在したことや、戦後にも砂鉄の採集が行われていたことを理由に仮乗降場として旅客営業も行われており[4]、国鉄分割民営化と同時にに昇格したが、2017年(平成29年)3月4日に旅客扱いを廃止し[JR北 1]、信号場となった[5][6]

1976年の北豊津信号場と周囲約750m範囲。下が単線区間函館方面。右側には国道5号が見える。上述のとおり、国道から当駅は見えない。短めだが相対式ホームを持つ。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

年表

信号場名の由来

所在地「豊津」の北方にあるため[11]

もともと当地は「六津(ろこつ、ろくつ)」と呼ばれていたが[12][11]、信号場開設前の1940年(昭和15年)の地区名改正で地名が「豊津」となっている[11]

「六津」の名称は長万部町と八雲町の境を流れるルコツ川のアイヌ語名である「ルコッ(ru-kot)」(足跡・くぼみ→道・沢)に由来し、これはかつてルコツ川沿いに瀬棚方面へ山越えする道があったことに由来するとされる[13]

構造

もともと函館方が両開き、旭川方が下り線を直線とする片開き分岐器(いずれも安全側線なし)の単なる2線構造の信号場であったが[2]1970年(昭和45年)に当信号場から長万部方が複線化される際に上り本線が単線区間に進入する直前の函館方の両開き分岐器に安全側線が付帯された[10][2]

旅客扱い当時はこれに加え相対式ホーム2面2線が設置され、構内踏切で結ばれており[2]、ホームの脇に待合所があった[1]

利用状況

砂鉄資源の枯渇による集落戸数激減以前は乗降人員も相当あったとされているが、以降は乗降もほぼない状態が続いていた[4]

旅客営業当時の乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1978年(昭和53年) 3.0 [4] 当時は仮乗降場の扱い
2015年(平成27年) 「10名以下」 [JR北 3]

周辺

  • 国道5号
  • 旧長万部町立豊津小学校
  • 豊津いちご農園
  • 函館バス「北豊津」停留所
    駅であった当時は国道5号線上に「北豊津信号所前」停留所があったが、旅客営業廃止に伴い、地元から住宅の多い町道豊津二号線へのバス路線経路変更の要望があり[14]、町と函館バスの協議を経て2017年(平成29年)11月に経路変更と停留所名の変更が行われた[15]

隣の施設

北海道旅客鉄道(JR北海道)
函館本線
黒岩駅 (H51) - (北豊津信号場) - 国縫駅 (H49)

脚注

注釈

  1. ^ 北日本砂鉄鉱業専用線0.4km。噴火湾海岸で採取される砂鉄を室蘭方面に出荷していた。

出典

  1. ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 11号 函館駅・大沼公園駅・倶知安駅ほか72駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年10月21日、23頁。 
  2. ^ a b c d e 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、43頁。ISBN 4-09-395401-1 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、215頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  4. ^ a b c 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、807頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  5. ^ a b 岩成雅和 (2017-08-01). “存廃に揺れる北辺の本線”. 鉄道ジャーナル (鉄道ジャーナル社) No.610: 56. 
  6. ^ 「函館本線458.4km+α」『鉄道ジャーナル』No.628、2019年2月、27頁。 
  7. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、11頁。ASIN B000J9RBUY 
  8. ^ a b c d 『道南鉄道100年史 遥』 北海道旅客鉄道函館支社 2003年2月発行。
  9. ^ a b c 停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II、P808-809。
  10. ^ a b 日本国有鉄道札幌工事局70年史編集委員会 編『札幌工事局七十年史日本国有鉄道札幌工事局、1977年3月、191-194頁。doi:10.11501/12050108https://dl.ndl.go.jp/pid/12050108/1/100 
  11. ^ a b c 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 33. ISBN 4-89391-549-5 
  12. ^ 本多貢 (1995-01-25). 児玉芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 98. ISBN 4893637606. OCLC 40491505. https://www.worldcat.org/oclc/40491505 
  13. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、415頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  14. ^ 広報おしゃまんべ 平成29年4月号』(PDF)長万部町、7頁https://www.town.oshamambe.lg.jp/uploaded/attachment/2079.pdf2021年12月27日閲覧 
  15. ^ 平成29年11月1日ダイヤ改正のお知らせ” (PDF). 函館バス. 2019年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月27日閲覧。

JR北海道

  1. ^ a b 平成29年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年12月16日http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161216-3.pdf2016年12月16日閲覧 
  2. ^ 駅番号表示(駅ナンバリング)を実施します』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2007年9月12日。 オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20070930015220/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2007/070912-3.pdf2014年9月6日閲覧 
  3. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。

新聞記事

  1. ^ “JR北海道、道南5駅3月廃止 森、長万部両町に意向” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年6月3日). オリジナルの2016年6月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160609235545/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0277706.html 2016年6月9日閲覧。 
  2. ^ “JR北海道、17駅の廃止打診 名寄「北星」、幕別「稲士別」も” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年10月2日). オリジナルの2016年10月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161001230621/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0322438.html 2016年10月2日閲覧。 

関連項目




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