労働力としての機械と人間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 17:27 UTC 版)
単純労働力の効率を比較すると、人間の労働者の効率は1%から5.5%である(手仕事から全身を使った仕事までの作業の種類によって異なる)。内燃機関はだいたい20%の効率である。中には50%弱の効率の内燃機関もある。電動機の効率は90%である。水素を燃料とする内燃機関の効率は30%である。水素燃料電池を使ったエンジンの効率は40%から60%である。 内燃機関を使う場合のコストと人間の労働者を使う場合のコストを比較すると、同一コストで可能な作業量は内燃機関の方が多い。1リットルの化石燃料で内燃機関を駆動した場合の作業量は、100人の労働者が24時間両手で作業した場合、または10人の労働者が脚で作業した場合に相当する。 仕事量という面でも、人間は機械に及ばない。平均的な人間が一日中働いたときの仕事量は250Whだが、機械なら遥かに多くの仕事ができる。例えば、人間が一生懸命働いても1kWhの仕事をするのに4日かかるが、同じ仕事を内燃機関でやらせると、1時間弱でしかも1リットル未満の燃料消費で実行できる。 効率の面でも仕事量の面でも人間は機械に太刀打ちできず、経営者が単純労働に機械の方を選ぶことは明らかである。人間は少なくとも労働で消費したカロリーと同じだけの経済的補償がなければ生きていけないし、多くの場合それ以上の賃金を要求する。労働者の賃金をたとえ1日1ドルと仮定したとしても、1kWhの仕事に4ドルのコストがかかる。これは例えば太陽光発電パネルのエネルギーコストよりも高くつく。
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