劣悪な研修環境が社会問題化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 22:31 UTC 版)
「研修医」の記事における「劣悪な研修環境が社会問題化」の解説
この法改正により、大学卒業後すぐに医師国家試験を受けて医師免許を得ることが可能になった。臨床研修制度も改正され、医師免許取得後に2年以上の臨床研修を行うよう努めるものと定められた(努力規定)。こうして研修医は医師としての身分の保障はなされたものの、依然として労働面や給与面での処遇には問題も多かった。特に私立大学病院の大半では労働者としての扱いすらされておらず、社会保険にも加入できなかった。研修医には長時間の過酷な労働の対価として月額数万円程度の「奨学金」が支払われるに過ぎず、生活費を当直などのアルバイトに依存せざるを得なかったのである(実際、大阪・兵庫両府県の大学病院などで働く研修医のうち、98人もの多数が、別の病院などでアルバイト診療をしていたことが、厚生労働省近畿厚生局が2008年に行った実態調査で発覚している)。 大学病院における専門分野に偏った研修の弊害も指摘されるようになり、36年ぶりに臨床研修制度が改正されるに至った。 なお、2005年6月、最高裁にて「研修医は、教育的な側面があるとはいえ、病院の開設者のために患者の医療行為に従事することもあり、労働基準法に定める労働者にあたる」とした判断が下され、最低賃金の保障など待遇の向上が期待される。(詳細は関西医科大学研修医過労死事件を参照)
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